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バガボンド14巻を探して流浪の旅に出た話【その1】

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自分のこと

はぁ…はぁ…はぁ…

 

直射日光とアスファルトから照り返す熱線の灼熱サンドイッチで意識が朦朧とする中、ボロボロになった足を引きずりながら思いました。

 

「今、必死になってバガボンド14巻を探し回ってるのはこの地球上で私しかいないのでは…」

 

 

事の発端は二ヶ月前。

普段メルマガのように淡々と姪っ子の写真を送りつけてくる兄から久々にメッセージが届きました。

 


「バガボンド全巻もらったけど、いる?」


私はすぐに返信しました。


「いらない」

 


狭いワンルームに住んでる私にとって本は厳選せねば置けぬ贅沢品です。

数ヵ月に一度、メルカリやBOOK・OFFで不必要な本を売り捌き本棚が満杯にならないように調整をして暮らしています。

 


このように厳しいサバイバルを勝ち残って我が人生に必要と判断された書しか残っていません。

本棚は「人生の足跡」です。

今日の私という人間を形成してるパーツがそこに並んでいます。

 

バガボンドは既刊で37巻。

少年コミックより少し大きめの青年コミックです。

ビジネス書や人生に必要な書を厳選してる中でバガボンドを置くわけにはいきません。

そして何よりも何年も休載していて終わりが見えない作品を限られたスペースに置くことは私の美学に反しています。

 

確かにバガボンドは面白い。

途中から精神世界の話が強めになって読者が置いてけぼりにされるのがやや(かなり)問題ですが、それを差し引いても序盤の胤舜との対決などは何度読んでも心奪われます。

読むたびに胤舜が窪塚洋介に見えてくるのもご愛敬。

 

中学生のときに夢中になり、ネットカフェでバイトを始めてからもずっと読んでました。

しかし、置き場所がない中で厳選すべきマンガとは言えないです。


私が今購入してるマンガは三種類。

  • ONE PIECE
  • ドリフターズ
  • 東島丹三郎は仮面ライダーになりたい

これだけです。


いつか大きな本棚を置ける部屋に引っ越したら闇金ウシジマくんとからくりサーカスを全巻買うと心に決めて日々生活しています。


なのでバガボンドはいりません。

その面白さは認めますが今のぼくには必要ないマンガです。

「面白いけどいらんですわ」

 

 

一ヶ月して兄から再びLINEが届きました。


「もう着ない服あげようか?」


持たざる者である私にとって服はさほど必要ではありません。

ただ自分で選んで購入する手間を考えると貰っておいた方がトクと考えました。


「いらなかったら売っていいから」


配送料も兄が出し、不必要であれば売って私のお金になるなら申し分ありません。


「じゃあ送って」


私は兄に服を送ってもらうことにしました。

 

 

数日後。

ヤマト運輸のおじさんがマンション四階の私の部屋に段ボールを運んでくれました。

兄が送った衣類です。

 

「最近暑いですね~」

「えぇ…はぁ…はぁ…」


気になる息切れでした。


サインをしておじさんが去ったあと、運ばれた段ボールを移動させようとして、おじさんの息切れの理由に気づきました。

「これは…衣類の重さではない」


嫌な予感がしました。

段ボールを開けると衣類の陰から髪を結わいた武蔵がこちらを見ています。

 

やられた…

中にはバガボンドが入っていました。

 


私は思わず兄に連絡しました。

 

「バガボンド入ってますやん」

 

兄からすぐに返信が来ました。

 

「面白いよ!」

 


これはどういうタイプのイジメなのだろう。

「いらないって言ったじゃん!」と送ろうとする前に可愛い姪っ子の写真を送られてしまったので私は何も言えず、黙ってカワウソが喜んでいるスタンプを返すのでした。

 

「貰ったはいいけど、どこに置こう…?」

 

今後も増えるであろうONE PIECEの為に確保していたスペースがあります。

むしろそこしかありません。


私はせっせとバガボンドをそこに詰めました。

そのまま売ることになっても、せっかく一度手に入ったのだから読まないと損です。

 


そこで私は二つのことに気付きました。

ひとつめは、

「20巻までしかねぇ」


そもそも全巻じゃなかったのです。

いえ、正確には完結してないので既刊で37巻です。

何故か段ボールには20巻までしか入っていませんでした。

 


私は再び兄にLINEをしました。

「20巻までしか入ってないやん」


すると兄から返事がありました。

「面白いよ!」

 

「ソエアアアアアアアッ!!」


この人はバガボンドを普及させるとお小遣いがもらえるヤバい宗教に入ってしまった。

そう確信しました。


もはや会話にならんと引き続き限られたスペースにバガボンドを詰めていくと、もうひとつおかしなことに気付きました。

 

「14巻がねぇ…」


1巻から20巻まで送られてきたと思いきや、

  • 1巻から13巻
  • 15巻から20巻

という宮城リョータばりのフェイクを仕込まれてました。

 


次の日からバガボンドを読み始めました。

過去に何度も読んだことがあるとて30歳を過ぎてから読み直すのは初めてです。

 

小さい頃は響かなかった言葉が胸に刺さり、なかなか上質な時間でした。

 

毎日少しずつ読み、いよいよ13巻まで読み終えました。

 

14巻がないとは言え、元々貰い物です。

一冊飛ばして読んだとてそこまで気にならないだろうと私は15巻を手に取りました。

 

「あ…小次郎編になってる…」


私はwikipedia先生を召喚してバガボンド14巻について尋ねました。

すると考えてもいなかった答えが返ってきたのです。

 

「そっかぁ~14巻からちょうど佐々木小次郎編なんだぁ」


長いマンガの途中の一冊が抜けてるんじゃないんです。

佐々木小次郎編の一冊目。

つまり1巻が抜けていることになります。

 

おのぺー
おのぺー

・・・

 

おのぺー
おのぺー

・・・

 

 

「ソエアアアアアアアッ!!」


「あーおわったおわった」

 


私は遠い昔、友達と横浜の映画館でグリーンマイルを見たことを思い出していました。

その頃の映画館は完全入替制ではなく、一枚のチケットで同じ映画を何回も見れました。

自由席で好きなだけそのスクリーンにいていいのです。


今みたいにネットで上映時間をカンタンに調べることもできなかったので、私と友達はなんとなくの時間で映画館に行き、上映中のグリーンマイルを途中から見ました。

 

友人「途中から最後まで見て、次の回の頭からその途中まで見て頭で繋げようぜ!」

ワイ「そうしよう!」

 

上映中・・・

 

「何もわからん」

 

なんだかよくわからないまま電気イスで処刑される黒人の大男を見て、激しい後悔とジョン・コーフィに対する謝罪の念で胸がいっぱいでした。

ジョン・コーフィ…グリーンマイルの主要人物

 

中途半端に見てしまった映画を次の回で一から楽しむことは出来ず、私はそのときに「初見が大事」と教訓を得ました。


つまり今回も(過去に読んだことがあるとはいえ)14巻を飛ばして15巻を読むことは勿体なきこととの結論に辿り着きました。

「・・・買いましょう」

 

私はバガボンド14巻を買うことにしました。

 

それが果てしなく続く流浪の旅の始まりだと知る由もなく…


その2に続く。

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