コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

バガボンド14巻を探して流浪の旅に出た話【その2】

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前回までのあらすじ

唯一の肉親と信じていた兄から狡猾かつ巧妙な裏切りを受けたおのぺーは、心を癒す時間もないままバガボンド14巻を探すことを南の一つ星を見上げて誓うのであった!

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バガボンド14巻を探して流浪の旅に出た話【その1】

 

ここで皆さんに質問です!

 

バガボンドは超有名コミック!

たくさん世に出回ってるわけですから今更新品を購入しようなんて思わないですよね?

 

じゃあどこで買いますかー!?

「古本屋だよ!!」

 

小中学生の溜まり場「BOOK・OFFの100円コーナー」に毎日立ち読みされまくって身も心も汚れちまったバガボンド14巻があるじゃろと軽い気持ちで私は旅立ちました。

 

そもそもバガボンドを部屋に置くつもりなどなかったのに。

 

過ぎたことをグダグダ言うのは日本男児の風上にも置けませんが、私は街の灯りがとても綺麗な横浜生まれのスーパーシティボーイです。

スーパーシティボーイは過ぎたことをグダグダ言っても許されると昔小学校で習いました。

「神奈川県は横浜の傘下!!」

 

しかし部屋のスペースを奪ってなおかつ想定外の出費です。

とんだ計略にはめられました。

 

などとグダグダ言いながらも結局私はBOOK・OFFに足を運んでいました。

それは何故か。

 

超シンプルに

バガボンドが読みたいから

 

「面白いよね~」

 

さくっと14巻を購入して20巻以降も大人買いしてしまおうかとまるで富裕層のような企みを心に仕舞いつつ私はBOOK・OFFを目指しました。

 

最初に行ったのが出先にあったBOOK・OFF。

 

ひとまず100円コーナーを探します。

 

BOOK・OFFの陳列ルールは出版社別・作者順です。

バガボンドはモーニングKCなので講談社、作者は井上雄彦さんです。

 

私は長い年月ネットカフェで奴隷の如く働いていたのでコミックにはやたら詳しいのです。

関連記事【閲覧注意】インターネットカフェ事件簿。警察沙汰は日常茶飯事。長くバイトすると人生観が変わります。

 

来店数秒でバガボンドがあるべき棚まで到達しました。

その素早さや忍びの如し。

 

しかし…

そこにバガボンド14巻はありませんでした。

 

5.7.13.19など飛び飛びの巻数が100円で売られていて、14巻はなし。

 

「まぁそんなカンタンにいくわけないよね~オッケーオッケー。」

 

私は動じません。

私は常に第二、第三の手を考えて行動する計算と意識と誇りが高い男です。

 

人は私をこう呼びます。

面倒な男と。

 

私はバガボンド14巻を100円で購入すると南の一つ星に誓ったので、それ以上の値段で買うことはありません。

ありませんが、一応100円コーナー以外の棚も見ておきましょう。

 

もし、万が一、バガボンド14巻が100円で見つからなかったときの為に「その場合は幾らで購入できるのか」を知っておこうと思いました。

 

が…

 

ない。

 

 

なんと従来のコーナーにもバガボンド14巻はありません。

というかバガボンド自体あまりありません。

「え?ブックオフでみんなバガボンド以外何読んでんの?」

 

嫌な予感がしました。

私は残されているバガボンド数冊の値段を見て「なるほど、100円じゃなかったら300円くらいね」と通っぽい頷きを店員にアピールしてBOOK・OFFを去りました。

 

「まぁ一店舗目だからね。次あるっしょ。」

 

それからバガボンド14巻を巡る旅が始まりました。

しかし何故か14巻だけが中古でありません。

 

私は現実を直視することができずに探し回りました。

 

近くのBOOK・OFF、古本屋。

向かいホーム、路地裏の窓。

こんなところにいるはずもないのに。

 

まるで14巻だけ異物混入で回収されたかのように、どの古本屋でも14巻だけが抜き取られていました。

ひどいところでは12.13.15.16と私に対する仕打ちとしか思えない店もありました。

 

そもそも楽天ポイントめっちゃ貯まってるから新品で買ってもいいのにな、という邪念まで浮かぶようになりました。

ここまで来るともはや金額の話ではありません。

 

喰うか喰われるか。

私と佐々木小次郎の一騎討ちです。

 

「さしずめお前は武蔵ってとこだな(こいつ誰だよ)」

 

諦めたらそこで試合終了と教えてくれた漫画家の作品を諦めるわけにはいかないのです。

 

私はまだ見ぬBOOK・OFFを目指して歩き始めました。

炎天下の中、ボロボロになって歩き続けるその姿はまるでバガボンド(放浪者)です。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

そうかバガボンドを読む為にはバガボンドになるしかないのか。

交通費を考えたら駅前の本屋で新品を購入した方が圧倒的にオトクなのに、私はあくまでも100円でバガボンド14巻を手に入れることにこだわりました。

 

それがバガボンド14巻に対する敬意だと思ったからです。

 

「こいつはもう金の話じゃないんですよ(34歳フリーター)」

 

私はもうバガボンド14巻を読みたいのか、私自身がバガボンド14巻になりたいのか分からぬまま歩を進めました。

 

気付くと私は高田馬場にいました。

鉄腕アトムが生まれた町です。

 

BOOK・OFF高田馬場北店。

私はここを終焉の地にしようと心に決めジェットの限りバガボンドを探しました。

 

あ…

 

 

あ…

 

 

あった!!!

 

私の頭にアトムのテーマが流れました。

 

「こーこーろーやーさしー らららかーがーくーのこー」

 

この一週間どこを探しても見つからなかったバガボンド14巻が遂に、この場所で見つかりました。

 

ありがとうアトム。ありがとう高田馬場北店。

南の一つ星に誓った私を救ってくれたのは高田馬場北店でした。

 

最初から北の一つ星に誓えばよかった。

 

「楽天ペイで」と言ったら「Suicaですね」と言われて何故かSuicaで払わされそうになったけど、私はこの店が好きです。

 

さっそく帰ってバガボンド14巻を読みました。

この巻から登場する佐々木小次郎がやけに愛おしく思いました。

会えない時間が愛育てるのさ。目をつぶれば君がいる。

今は目をつぶっても開いてもバガボンド14巻が手元にあります。

 

移動の暇潰しに100円でコミックを買う人もいるでしょう。

安く全巻揃えることにやっきになる人もいるでしょう。

 

私はこの100円(実は110円)で入手したこのコミックをいついつまでも末長く大切にしたいと思っています。

 

100円コミックにもドラマがある。

よろしく哀愁。

 

以上、二回に渡ってバガボンド14巻にまつわる話を取り上げました。

おのぺー
おのぺー

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