コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

♯46 家から出れない〜その2

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前回はこちら

 

マンションから出れずに美容室をキャンセルせざるを得なくなった翌日の夕方、管理会社からぼくのスマホに電話が掛かってきた。いつもの女性である。

 

内容は以下の通り。

「部品交換が必要になるかもしれないので業者が対応するのは来月になる」

 

え…まだ1月上旬なんですけど。

 

ちょっと驚いたが、とにかくぼくは何度も主張してるように「直ればいい」のだ。ただそれだけの話。別に謝罪してくれとかそういう話じゃなくて、今まで通り「出たいときに出れる」ようにしてくれという話である。普通のことしか言ってない。

 

なので工事が2月になろうが関係ない。その間にぼくが困ることがなければいい。そしてまた困った際は(嫌かもしれないが)そちらに電話する旨を伝えた。だってそれしか方法がないのだから。

 

一応聞く。

 

「現場って来ました?」

「はい、昨日行きました。」

 

来たのかよ!言えよ!

 

話によると、昨日ぼくが電話したあとにちゃんとマンションまで足を運んでオートロックの調子が悪いことは確認してくれたそうだ。

 

あの大雪の中、ありがとう。でもそんときぼく4階にいるんだから呼んでくれよ。いつも使ってる人間が状況説明した方が圧倒的にいいやん。

 

だが管理会社の人が実際に調子が悪いことを確認してくれて良かった。

これでぼくの虚言疑惑が消える。

 

「また出れなくなったら連絡してください」と優しく言われて通話は終わった。

出れなくなったら終わりなのだが。

 

あの大雪の中、現場まで来たのだから不真面目というわけではないと思う。解決に向かって考えてくれている、とは思う。

 

しかしどれだけ真面目だろうが「出れない」「入れない」という状況になったらアウトである。可能性の話ではない。「あるかもしれない」というのが怖いのだ。

 

前回はたまたま美容室で良かったが、これが撮影だったらと思うと恐怖で顔面がねじれ狂う。

 

「家から出れない」なんて絶対に誰も信じてくれない。マネージャーだって信じてくれない。

だいたい撮影が朝が早い。4時とかに出れなくなったところで、どこにも電話できない。

 

住人としては幸い、俳優としては不幸なことに来月中旬まで決まった撮影は今のところない。

 

管理会社の人だって角度はどうであれ一生懸命やってくれてるとは思う。業者が来月の対応になったのは別に誰のせいでもない、はず。

 

とにかくこれ以上何事もないことを祈るしかない。

これを書いてるのが1月中旬。

 

どうか続編が書けませんように。

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