コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

♯32 午後の紅茶

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午後の紅茶のミルクティーが好きだ。

 

ほぼ毎日飲んでいる。身体にいいとか悪いとかは知らない。

 

ぼくをよく知る方ならぼくが毎日飲んでる姿を目撃してるはずだ。

しかしぼくには友達がいないのでそんな人もいない。

 

劇団時代、過去最高にお金がなかったとき、ぼくは毎日まともに食べることすらできずに生きていた。それに出演したところで人生が変わるわけもなく、ただ稽古場までの交通費とチケットノルマ、そしてバイトができないくらいの稽古時間を強制拘束される舞台に出演していた。

 

あの頃のぼくは、それに出ることで明るい未来が近付いていると勝手に思っていた。無知とは恐ろしいものである。

 

家賃も電気代もガスも水道も払えず、一ヶ月のうち、必ずどれかは延滞していた。バイトで金が入った日に支払いに回すので、給料日なのにお金がない。ホント今考えるとよく生きてたなと思う。

 

水道水をペットボトルに入れて、自分で結んだ具無しおにぎりを持って稽古に通っていた。満足に食べてないのでドンドン痩せていく。それでも稽古場ではアクションでTシャツが絞れるくらい汗をかく。食べて回復することなく次の稽古が続く。どこでも寝れるが寝ても元気にならない。不健康のループ。

 

そんな時代、1週間に一度だけ奮発して午後の紅茶ミルクティーを買っていた。それを飲む時間が一番の幸せだった。すぐに飲み込まず、甘さを口に封じ込めてゆっくりと味わった。それすらスーパーで買えば90円くらいで買えるのに、何も知らないぼくは普通にコンビニで150円で買っていた。

 

週に一度、150円の贅沢。そんな自分が惨め過ぎて泣きながら飲んだ日もある。

 

それが今では毎日飲めるようになった。

勿論スーパーで購入している。

 

昨日も飲んだのに今日も飲みたくなる。

きっと明日も飲みたくなる。

 

1日2本飲むことはない。飲みきれない時は冷蔵庫に入れて翌日目覚めと同時に飲む。

舞台の差し入れでもらうと一番嬉しい。

 

そんな午後の紅茶ミルクティー。

毎日飲める未来がいつまでも続きますように。

身体にいいとか悪いとかは知らない。

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