こんにちは、小野哲平です。
皆さん、歌舞伎見たことありますか??
歌舞伎は年配の方が見るモノという社会認識がまだ根深く残っていて、敬遠してる人もいるのではないでしょうか。
ぼくの周りでも一度も見たことない人だらけです…
実際に歌舞伎座に足を運ぶと年齢層は高いです。
が!歌舞伎は若者が見ても全然楽しめます。
では、どうして歌舞伎は年配の方が見るモノという認識が残っていて、なおかつ若者は歌舞伎を見ないのか。
今回はこの件についてぼくが思うことを書いていきます。
歌舞伎を見ない理由
今から14年前、2005年にインターワイヤードというリサーチ会社が行った「歌舞伎に関する調査」ではこんな結果が出ています。
かなり古い調査だけど読んだ感想としては今と変わらない印象です
以下、調査結果説明文章の引用です。
歌舞伎を見たことある人は5人に1人
年代別の割合では、60代女性は66.7%と半数を超えたのに対して、10代男性は4.0%にとどまった。全ての年代で女性が男性を上回り、40代50代では約2倍の開きがあった。
観劇経験は1回か2回
歌舞伎観劇の経験が「ある」と答えたうち、12.4%の人は「10回以上」と回答しているが、59.9%は「1回」か「2回」しか見たことがないと答えている。また、「見に行ったきっかけ」は80.1%が「学校の授業・行事で」、「友人・知人に誘われて」、「チケットをもらったから」など、消極的な理由が目立った。
見ない理由は「高そうだから」
「見たことがない」、「1回しか見たことがない」と答えた人の44.8%が「高い・高そうだから」44.6%が「きっかけがなかった」と回答した。しかし、「一幕450円から1000円だったら見に行きたいと思いますか」と尋ねると68.9%が「行きたい」、「まあ行ってみたい」と肯定的に応じている。歌舞伎は、劇場によって「一幕見席」というシステムがあり廉価で見ることができるが、その存在を知っていると答えた人は4.8%にとどまり、見ない理由の「高い/高そうだから」を裏付ける形となった。
以上の調査結果を読み取り「歌舞伎を見ない理由」を
- お金
- キッカケ
- 過去の体験
この三つの視点でまとめていきます。
お金
まず調査結果からも分かるように、歌舞伎が一般的に高級娯楽(お金が掛かるモノ)と思われてるという事実があります。
ポイントは上記にあった理由、「高い・高そうだから」の高そうだからの部分。
「高そうだから」ということは実際に値段を調べてるわけではないですよね。
このように歌舞伎はチケットが高いと思われています。
では実際はどうなのでしょうか?
実際はどうなのか?
高いです。笑
めっちゃ高いです。
参考までに2019年5月の歌舞伎座のチラシで説明します。
値段に注目。
2等席 14,000円 ← 高い
3階A席 6,000円 ← 安くはない
3階B席 4,000円 ← ギリ気軽に払える
はい、超高いです。
1等席18,000円は桁違いの数字かと思います。
18,000円稼ぐには時給1,000円の仕事を18時間しなければなりません。
1日8時間労働で丸二日(16時間)働いても足りません。
参考までに千葉県某所の○ッキーがいる場所の1デーパスポートが大人1枚7,400円なので1等席1枚で大人二人○ッキーのランドで遊べます。
お釣りでご飯も食べれます。
3階席など安い席もありますが、どうせ見るなら一番良い席で!という方も多いと思います。
ぼくもわりとそっちの考えです。
なので結論から言うと歌舞伎のチケットは超高いです。
なのでお金が理由で見に行かないというのは真っ当な意見です。
しかし、一演目だけ見る幕見席や3階席などは従来の演劇とそこまで値段が変わりません。
幕見席があまり知られてないのも十分な理由だとして、3階席などはチラシにも掲載されている席種です。しかもそこまで高くない。
それでも歌舞伎に行かない人が圧倒的に多い。
その理由は本当にお金だけなのでしょうか?
キッカケがない
お金が大多数を占める理由であることは認めますが、それに同じくらい(見に行く)キッカケがないというのも大きな割合を占めていると思います。
今この記事を読んで私は歌舞伎大好きだよって方は、
そもそもどうやって歌舞伎と知り合いましたか?
正直ぼくは付き人になるまで歌舞伎のことは一切知りませんでした。
有名な歌舞伎役者の方は知ってましたが歌舞伎そのものは見たことがありませんでした。
普段生活していて友人との会話に歌舞伎が登場することなんてないし、よくある学校の芸術鑑賞でも見たことがありませんでした。
イメージとしては見栄と連獅子くらい。
特に興味もなかったので…
たまたま自分が付き人になるという選択を取ったので今でこそ普通の人よりは詳しいですが、あのとき付き人になっていなかったら今も知らないままだったと思います。
ほとんどの方がぼくと同じなんじゃないかな。
だから歌舞伎座もしくは歌舞伎を上演している劇場に行くキッカケがそもそもないと、歌舞伎と生涯出会わない人も沢山いるはずです。
上記のようにチケットが高そう(実際高い)と思われているということは気軽に行ける場所ではないと思われているのと同じ意味です。
気軽に行けない場所には気軽には行きませんよね。
だからこそキッカケがないと歌舞伎には知り合えないです。
過去の体験
これはキッカケの一つ先の問題です。
どんな理由であれ歌舞伎を一度見ている人が歌舞伎ファンにならない理由。
それは(最初に見た演目が)つまらなかったから。
ここが今回の記事の核となる部分なのですが、
最初に経験してつまらないと思ったものに人は拒絶反応を起こします。
歌舞伎?昔見たけどつまらなかったから行かなーいってことです。
例えば学校の芸術鑑賞だと古典を見せますよね?
やっぱり歌舞伎歌舞伎してるものを見せた方が教育によさそうですし。
でもね、最初に予備知識無しで古典見てもつまらないですよ。
クリアすべき三つの壁
だから歌舞伎って出会い方が一番大切なんです。
- 気軽に行けるものではないという共通認識
- 誘ってくれる友人や学校行事などのキッカケ
- 最初に出会った演目の面白さ
この三つの壁をクリアして徐々に好きになっていくものなんです。
どの壁も正直高いです。キッカケは偶然性に左右されるし、それで連れて行かれた演目が意味不明な作品だったらゲームオーバーです。
正直分からないのも多いよ…
だからこそ今、歌舞伎の面白さが分かっている方はとても幸せだと思います。
つまらないものはつまらない
ここも重要なポイントなのですが、歌舞伎にはめちゃくちゃ演目があります。
だからぼくのように歌舞伎好きを公言してる人でも
え?全然面白くないんだけど…
という演目も全然あります。
それが超有名作品で毎年上演されてるようなものでも、
つまらないものはつまらないです。
こればかりは好み!
これは歌舞伎好き全員に言えることですが、
歌舞伎が好きだからと言って全ての演目が好きなわけではありません。
それぞれ好きな演目や好きな役者がいるのです。
だからこそ見たい演目のときに大金を払って見てます。
歌舞伎は貴方をひとつ上のステージにしてくれる
でもそれでもぼくは沢山の方が歌舞伎に触れるべきだと考えています。
生まれた国の伝統芸能ですし、歌舞伎を知っているということは人生においてちょっとしたステータスになります。
また散々書いたようにチケットが高い高級娯楽です。
その娯楽に触れるということ、その劇場に足を運ぶということになれば、
自然に身なりも気をつけますし、不思議と姿勢も正しくなります。
歌舞伎座はいつもぼくを高めてくれます。
簡単に見れる芸術ではないからこそ、自分が歌舞伎座の座席に座ることでひとつ上のステージに進んだような気になれます。
予習は必須!
もしまだ歌舞伎と出会っていない貴方が何らかのキッカケで歌舞伎を見ることになったら、
騙されたと思って予習をしてみてください。
やり方は簡単です。
見に行く演目をググるだけ。
「○○(演目名) あらすじ」で検索すれば大丈夫です。
歌舞伎演目を解説しているサイトは腐るほどあります。
前日の10分だけでも構いません。
あらすじを頭に入れてから見るのとそうでないのでは楽しめ度合いが雲泥の差です。
ネタバレになっちゃう!!と慌てる必要もありません。
あらすじ知らないとネタバレも何もストーリーが全く分からないので。笑
ぼくも毎回事前に勉強してます!
本でも勉強できます!
有名な演目なら歌舞伎入門の本でさくっと勉強しちゃうのが早いです。
年々新しい本が登場しています。
演目のあらすじが変わることはないので、古本屋で購入するのも1つの手です。
めっちゃ安く手に入ることもあるよ!
特集番組から見るのもあり!
興味あるけど足を運ぶほどじゃないんだよな~という方は、テレビで放送されている歌舞伎役者の特集を見ると背中を押してもらえるかもしれません。
放送時期は不定期ですが、海老蔵さんは日テレ、中村屋はフジテレビで年に一度必ず特集番組が放送されています。
毎年録画してるよ!
歌舞伎役者であることの重みや家族の絆など、毎年ぼくは真剣にこの特集番組を見ています。
他にもちょこちょこ誰かが特集されているので見るのを強くオススメします。
やっぱり出会いが大事
結論ですが、やっぱり歌舞伎は出会い方が一番大切です。
何度も何度も言いますが本当にこれに尽きます。
最初に「歌舞伎ってこんなに面白いんだ!」と思えるかどうか、それがポイント!
知り合いが出ていても演目が意味不明だったらしんどいです。
知り合いが出てるから行く、というのも大切ですがそれに加えて歌舞伎そのものを楽しめるようになった方が何倍も楽しいです。
以上を踏まえて、楽しい歌舞伎ライフを過ごしてください!
歌舞伎は間違いなく貴方をひとつ上のステージに連れてってくれますよ!
レッツ歌舞伎!