コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

♯19 歩きタバコ

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先に断っておくが、タバコそのものを否定するつもりは更々ない。

ぼくの周りでも吸う人は多いし吸うこと自体は気にならない。

 

今回はあくまでもマナーについての話として読み進めてほしい。

 

歩きタバコしてる人を見ると苛々する。

吸い殻のポイ捨てなんて以ての外だ。全身の血液がマグマの如く沸騰してサイヤ人だったらとっくに超サイヤ人になっている。純粋な地球人でよかった。

駅前の和菓子屋はとても美味しそうなのでコロナに負けないで頑張れと思っていたが、店主のおやじさんが店脇で路上喫煙して、吸い殻をそのまま排水溝にポイ捨てしてるのを目撃してから一切応援しなくなった。

 

爪が甘過ぎる。

地域密着の温かい雰囲気で営業してるならせめて外面は徹底しろよ、と思う。

 

勿論その行動は人間の数ある面のひとつに過ぎないので、それだけで人間性全てを批判する材料にはなり得ないのだが、単純にムカついたのでその和菓子屋に対してはひとり不買運動をしている。

 

何年か前、ポイ捨てをした人を直接注意したこともある。

およそ50代のスーツ姿の男性だった。

 

目の前で捨てたので「そういうのやめましょうよ、カッコ悪いですよ」と声を掛けた。すると、そいつは「でへへ、すいません」と媚びへつらった薄気味悪い笑いを浮かべて自らタバコを拾った。

 

しかしその場を先に通り過ぎたぼくが気になって振り返ると、そいつは先程拾ったタバコをまた足元に捨てていた。

 

遠くから目が合ったが、わざわざ戻って揉めるのは違うと思ったので諦めた。X-MENのサイクロプスのようにぼくの目からビームが出るのであれば、その瞬間にそいつを貫通死させて犯罪者になっていたところである。純粋な地球人でよかった。

 

でも、そもそもどうしてこんなに歩きタバコが許せないのだろう、と冷静に思う自分もいる。

ぼくが小さい頃は誰もがタバコを吸いながら歩いてたし、小学校の先生でさえも職員室前の廊下で平然とタバコを吸っていた。大人になってから隣を歩く友人が歩きタバコをしていても何も気にならなかった。

 

それが今は完全なる路上喫煙反対派である。

ぼくが変わってしまったのか、それとも時代に合うようにアップデートされたのか。

 

無論、後者である。

 

社会の過度なルール変更には首をかしげる点もあるが、路上喫煙禁止は反対する要素がない。みな、意識をアップデートすべきなのだ。

 

時代は常に変わっていく。

変わっていく社会の中でその場に留まることは現状維持ではなく後退である。しかし悲しいかな、当時は歩きタバコをしている人に罪の意識など全くなかったので、その名残りで今も「歩きタバコの何が悪いの?」と思ってる人が大半である。

 

なので注意された人の言い分は大抵「みんなやってるから」。スピード違反や信号無視、はたまた匿名での誹謗中傷と同じ領域だ。「みんなやってるから」それは大人としては極めて幼稚な物言いだが、一部で諦めのように納得せざるを得ない部分が多々あるのもまた現実だ。

 

人間とは大衆心理で行動する生き物である。

なので目の前の人間を注意して更生させたところで世の中そのものは何も変わらない。その反対側の道路でタバコを捨てている人もいるだろうし、注意されたそいつだっていずれまた「周りがしているなら」と同じ事をする。

 

厳密には罰則があるのに誰も守らない。交番近くで路上喫煙しても警官が注意するわけでもない。

しかし厳しく取り締まってくれ、とも思えない。他に解決すべき事件があるならそこに人と時間を費やすべきだ。現実的に考えて歩きタバコよりも重度な事件は山程あるし、警察官の数にも限りがある。

 

つまり、これはどうにもならない問題なのだ。

 

ポイ捨てを注意して逆ギレされて暴行に遭い大怪我、または死亡したケースだってある。

匿名での誹謗中傷とは違い、直接的に人の生死に関わる暴行事件が起きても何も変わらない。

 

社会全体が路上喫煙に対して厳しい目を向けなければ変化は訪れないが、その日が来るまでには何人もが犠牲になっているだろう。

 

問題提起はいつも手遅れから始まる。

だからぼくが推奨するのは「ポイ捨てをするような人間には関わらないようにしよう」である。

 

あなたが目の前のポイ捨てを注意しても何も変わらない。あなたが暴行されても世界は変わらない。

虚しいが、この現実を覚えておくのが利口な生き方である。

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