こんにちは、小野哲平です。
今日はドストレートに新人俳優が尊敬してはいけない先輩について書きます。
俳優を目指して舞台に立ち始めた頃は、何度も舞台を経験している先輩たちがやたら輝いて見えるものです。
ぼくもそうでした。
私もそうでした。
俺もそうでした。
俳優を目指す人は基本的に真面目です。
先輩の言うことを守りその助言を全て受け入れる傾向にあります。
しかし業界のルールも知らないまま、右も左も知らずにたまたま出会った先輩の教えだけを守ることは非常に危険です。
気付けばその先輩にとって都合のいい考え方を教育されているかもしれません。
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経験が浅く、その先輩が本当に信頼に足る人間なのかを見極めるチカラを持たないままに盲信してはいけません。
そこで今日はぼくの経験上、こういう先輩とは関わらない方がいいというタイプを5選紹介しま
「先輩=尊敬の対象」ではありません。
先輩とは、ただ先にそこにいた人です。
本当に尊敬すべきは「あなたが尊敬できると自分で思えた人」。
あなた自身の目で見極めるチカラを持ちましょう。
とにかく知ってる風な先輩
最初に紹介するのは「とにかく知ってる風な先輩」です。
これは売れないまま年齢を重ねた俳優にとても多いです。
俳優とは、役者とは、演技とは…。
やたら語ります。
ぼくが最も尊敬する唐沢寿明さんが以前雑誌のインタビュー(「At Once」創刊号)でこう話していました。
ダメな役者ほど芝居を語るでしょ(笑)
エキストラに毛が生えたような役しかやってないのに撮影現場について語りたがったり、そのとき有名俳優と共演したことを自慢気に話してくるようなタイプは関わらない方がいいです。
俳優に限らず基本的に過去の武勇伝を延々語るような人はアウトです。
特に俳優なら最新作が常に代表作の気持ちでなければいけません。
知ってる風に話す人は自分を凄いと思ってもらえるコミュニティでしか自慢話ができない人です。
「芝居ってそういうもんだから」と自分が真髄に辿り着いてる感を出してくる先輩に出会ったら注意してください。
ぼくが見てきた一流の俳優たちは少なくとも新人相手に芝居の何足るかなど語りません。
もし談義するのが目的なら同格以上の俳優と話すのが通常です。
新人とは話が合わないからね…
そうではなく格下の俳優に言い聞かせることは「芝居を語ってる自分が好き」なだけです。
実力が伴わない先輩
次は「実力が伴わない先輩」。
言い換えると超シンプルに魅力的じゃない俳優です。
芸能界は役者の格が明確に存在してるのでまだマシなのですが小劇場は現場によって謎に年功序列を重んじるところがあります。
ただ長く続けてるだけで自分が偉くなったと勘違いしてる俳優も多いです。
偉くなったのではありません。
ただ月日が流れて後輩が増えただけです。
ぼくが舞台に出まくっていた頃、いつも高圧的な態度で先輩風を吹かせまくってた先輩がいたのですが、その人稽古中に台詞が全然出てきませんでした。
何回やってもその人でシーンが止まる。
マジでシンプルに「は?」って思いました。
それでいて後輩をパシりに使ってたその先輩。
どこに尊敬する要素が…?
上記のパターンは「威張ってるのに芝居できない」というマンガのキャラクターみたいで分かりやすいですが、中には「凄く謙虚で芝居できない俳優」もいます。
謙虚であることは素晴らしいことで人間的には尊敬に値するのかもですが、やはり実力が伴ってない人を「俳優として」尊敬するのは難しいと思います。
謙虚じゃない先輩
次は「謙虚じゃない人」。
これはめちゃくちゃいます。
売れてる俳優でもいます。
エキストラを雑魚のように扱う俳優、全然いますよ。
でも安心してください。
そういう俳優は消えます。
ぼくが過去に嫌だった人たちは当時は売れっ子でも今は第一線にいません。
俳優に大事なのは演技力よりも人間力だとぼくはマネージャーに教わりました。
調子に乗ってスタッフや共演者に冷たく当たってる人は評判が悪くなって必ず仕事が減ります。
逆に言うとずっと第一線で活躍されてる人は本当に良き人間だということです。
良い俳優になりたければ良き人間であれ。
謙虚じゃない人はダメです。
尊敬できません。
努力してない先輩
お次は「努力してない先輩」。
努力そのものの姿を見せる必要はありませんが努力の跡が見えない人はダメです。
先程の台詞が出てこない先輩しかり。
台詞覚えが悪いのがわかってるなら自分で何とかしてこいよ。
そういう話です。
ちなみに台詞を覚えるなんてのは努力でも何でもないです。仕事です。
例えばずっと売れてない俳優がいるとしましょう。
その人に「売れる為にどんな努力をしてるんですか?」と聞いてみて何の返答も出てこない人は本当に何の努力もしていません。
時間の経過と共にチャンスが流れてくるなんて考えは単なるガチャです。
もちろん売れることが目標ではなく趣味で芝居をしてる俳優もいます。
あなた自身がどうなりたいのか。
ぼくは絶え間なく自身の向上を目論む人なので不断の努力をしてる方に惹かれます。
努力してる人はカッコいいですよ。
何も知らない先輩
最後は「何も知らない先輩」です。
凄くシンプルな考えとして、映画に出たいなら映画を見るべきだし、ドラマに出たいならドラマを見るべき。舞台に出たいなら舞台を見るべきです。
それは勉強の意味もありますし教養でもあります。
映画に出たいのに映画を見てない。
ドラマに出たいのにドラマを見てない。
舞台に出たいのに舞台を見てない。
それらは矛盾した行動です。
映画に出たいのに全然映画を知らない。
ドラマに出たいのに全然ドラマを知らない。
舞台に出たいのに全然舞台を知らない。
おかしいと思いませんか?
俳優の世界にいるなら俳優についても詳しくないとおかしいです。
別に若手俳優をくまなくチェックしろと言ってるわけではありません。
「誰もが知ってる俳優を知らないのは許されない」ということです。
勉強を強要する意味ではなく、知らないのは変です。
あの映画のこの演技が凄かった。
この芝居をしてみたい。
ああいう舞台に出てみたい。
その世界に身を置いているならば、こういう話ができるのが自然です。
サッカーが好きでサッカーにめちゃくちゃ詳しい先輩がいました。でも俳優のことも映画も全然詳しくありません。
どうしてこの人は俳優をしているんだろう。
尊敬云々以前に違和感がありました。
自身が身を置いている世界について何も知らない人は何か変です。
正しいものを見極めるチカラを持とう
以上、尊敬してはいけない先輩5選を紹介しました。
- とにかく知ってる風な先輩
- 実力が伴わない先輩
- 謙虚じゃない先輩
- 努力してない先輩
- 何も知らない先輩
しかしながら何も知らなくても魅力的な俳優はいるし、謙虚じゃなくても努力してる俳優はいます。
あくまでも目安としてお使い下さい。
でもさすがに5つのうち3つ以上該当してる先輩はアウトですよ
俳優が売れるか売れないかは運の要素も大きいです。
売れてなくても物凄い実力を兼ね備えた俳優もいれば、知名度があっても「ん…?」という俳優もいます。
新人俳優にとって最も大切なのは誰と出会えるか、です。
人間的にも演技的にも素晴らしい一流俳優に出会えたらぐんぐん成長するし、ダメな俳優に教えを乞うたら同じようにダメになります。
ダメな俳優のダメなところは自分をダメだと思っていないこと。
彼らの助言は彼らなりの本音です。
騙そうと思ってるわけではありません。
だからこそです。
だからこそ自分で正しいものを見極めるチカラを持たないといけないのです。
人を見極めるチカラは今後一生役に立ちます。
この記事があなたの見極めるチカラの向上に少しでも役立てれば嬉しいです。