こんにちは、小野哲平です。
もう何年も前からずっと問題になってる観劇マナー。
定期的にネットニュースでも取り上げられていますが、やはり絶対数をゼロにするのは難しいようでTwitterには日々役者・観客双方の被害報告が挙がっています。
先日、菅田将暉さんの舞台「カリギュラ」での観劇マナーについて書かれた記事に言葉を添えて引用RTしたところ、多くの方に拡散してもらえました。
どれだけ稽古してきても、どれだけ楽しみにしてきても携帯鳴ったら一発で終わり。ルール守れない人はマジで来なくていい。守れない人は誘っちゃダメ。演じる覚悟に観る覚悟。空間を一緒に作ってるんだよ。
菅田将暉主演舞台、観劇マナーの悪さ指摘相次ぐ(日刊スポーツ) https://t.co/t0UOHtbXKk
— 小野哲平@来年6月トムランド公演 (@yen_town1014) November 21, 2019
同舞台は9日から東京・新国立劇場中劇場で上演中だが、ネット上には、観劇したファンから「観劇マナーが悪すぎて残念すぎた」「観劇マナーが私の観劇経験でワーストワン」といった声とともに、一部の観客が上演中に私語をしていたり、携帯電話の電源を切らずに着信音やバイブ音が聞こえてきたといった報告が多数あがっている。
引用:日刊スポーツ(現在記事は削除されています)
どうしても役者や演出家の方が拡散力があるのでSNSでは注目されますが、それと同じように演劇好きの一般人にとってもこの問題は無視できない由々しき事態なのだと思います。
そこで今日は「観劇マナーを守れない人は舞台を観てはいけない」という記事を書きます。
主張はタイトルのままです。
それに付随して色々と深掘りしていきます。
ありがとうございました!
観劇マナーが悪いとは?
具体的にどういった行動が迷惑なのか。
列挙します。
- スマホの着信音、振動音
- スマホディスプレイの光
- 写真撮影
- 観客同士の話し声 など
他にも飲食禁止や前のめり観劇禁止など、細かく分ければ無数にあります。
無数にあれども、そのどれもがある程度の常識を持ち合わせていれば守れるものです。
ちょっと考えればわかるよ!
まず「守ることが困難なルールではない」ことを強く主張させていただきます。
携帯が鳴ったばかりか、それに「いまお芝居観てるのよ〜」と応答しながら劇場通路を小走りに出て行ったご婦人には驚きましたね。
— 佐藤忠信 (@k2ne_tdnb) November 24, 2019
「マナー」と言っていいのか判断に苦しみますけど。
前の席に座ったお嬢さんが、メロンほどの大きさのお団子ヘアを頭の上に作っておられたのが。
始終せわしなく左右上下に動き回り、途中で寝落ちしたのかグラグラ不規則に動き回る、雪だるまみたいな頭を避けながら鑑賞せざるを得ず。
迷惑でした。— チアゴ (@L8C1YcLd1fXREEk) November 25, 2019
どうしてスマホの電源を切るのか、聞くのも書くのも低レベル
「携帯電話など音の鳴る電子機器の電源はお切りください」
上演前に前説あるいは場内アナウンスで流れる常套句です。
これを言わない舞台はほぼありえません。
これ、何で毎回言ってるor流れてるか分かりますか??
答えは言わずもがな「携帯電話の電源を切ってほしいから」です。
これに対して「何で?」と思う人は想像力が欠落しているので、
たぶん舞台見ても物語を楽しむことはできません。
それくらい基本中の基本です。
電源の切り方が分からない人々
とは言え高齢者に限らずスマホの電源の切り方が分からない方は多いです。
年配の方だと電源を切って、と言われても電源のオンオフが分からず不安で切れない方もおられると後に聞きました。操作がわからない方はお手伝いします、とお声がけしているホールもあるらしいですね。それは目から鱗。(元レセプショニストです。現役の時に実践したかった!)
— 📎ひ🖇び📎に🖇こ📎 (@hibiniko818) November 23, 2019
その場合は同行者が、自覚があるならば本人が劇場に行く前に誰かに教わりましょう。
- 電源の切り方が分からない
- 電源を切らなきゃいけない理由が分からない
この二つは別問題なので、切りたい意向があるならば他人であっても近くに座ってる方にサポートしてもらうべきです。後者は論外。
「電源をお切りください」に加えて「切り方が分からない方はお手を挙げてください」にしてスタッフが対応すればいいのかな?
でも数が多すぎると個別対応は無理っす…
確かに。難しいなぁ
ディスプレイの光は意外な落とし穴
上演中にチラッとスマホの画面見る人いますよね??
それも完全なるアウトです。
観劇中ずっとスマホをいじっている若い男性。流石に暗転中はなかったような気がしますが、後方客席かつ隣だったので周りが暗い中でのブルーライトが本当に気になりました。
— 西嶋 咲紀 (@saki_sake_suki) November 22, 2019
カバンに隠してるとセーフっぽい感じですけど全然光漏れてます。
スマホの技術なめないでください。
いや時間が気になるのもわかりますよ。
正直つまらない芝居見せられてるときは頭の中が「早く終われ~終われ~」でいっぱいです。
苦行だよ!
でもそこはグッと堪えましょう。
だって時計見たところで芝居は早く終わりませんよ?
つまらないなら二度は観ないわけですし、一生に一度の機会だと思って腹くくって見ましょうよ。
そんな舞台だってきっと誰かが人生掛けて作ってるんですから。
それに電源をOFFにしていればスマホ画面で時間を確認する行為はできません。
音が出ない、振動もしないマナーモードではなくてスマホは電源から切る。
そうすることで「スマホの画面を見る」という選択肢を除外しましょう。
歌舞伎はグレーゾーン!?
歌舞伎鑑賞をすると80%~90%の高確率で寝てる人に遭遇します。
特に歌舞伎座と国立劇場は遭遇率100%に近いです
まず寝ちゃダメです。寝るのはアウト。
でも歌舞伎って長いから体力もっていかれるんですよね。
ぼくも興味ない演目のときは自分の意思に反してゴニョゴニョ…
でも寝るのはダメ。
睡眠じゃなくて気絶と言い張りましょう。
あと歌舞伎だと上演中に話している人が結構目立ちます。
特に役者が登場したとき。
「ほら、あの人は◯◯さんの息子で。」
「あの子とあの子は兄弟なのよ。」
隣同士でチラシや筋書き片手にゴニョゴニョ喋っています。
ぼくが先日足を運んだ歌舞伎でもそうでした。
隣のおばさま二人(年配の方)で場面場面でゴニョゴニョしゃべっています。
「わ!すごーい!」
「あらあら!」
「ほら、あそこ見て」
これ、普通はアウトです。
静かに鑑賞してほしいです。
でも…超個人的なことを書かせてもらうと、
歌舞伎に関しては若干グレーゾーンな気がします。
上記の二人も悪気があって話してるわけじゃなく、声の大きさもそれなりに気を遣ってました。
少なくともぼくは不愉快ではありませんでした。
ぼくは出来ることなら楽しく見せてあげたい。
もちろん話さないで静かに鑑賞するのが絶対のルールですけど、歌舞伎に関しては大向こうもいるし、またちょっと他の演劇とは違う特殊な文化なのかと思います。
ぼくは話さないけどね
関連記事歌舞伎がつまらない?初心者は歌舞伎座以外から始めてみよう!!
アイドルが出るとモラルが低下?
DMでフォロワーさんにいただいた情報の中に「アイドルが出る舞台は観客のモラルが低下する」というのがありました。
スマホの電源OFFせず、上演中に着信音が大音量で流れる。
上演中に小型カメラやスマホで写真・動画撮影する。
邪魔なの分かってるはずなのに帽子を取らない。
コンサートと間違えて演者の名前を叫ぶ。
他にも有りますが、全部某事務所の舞台での実体験です。— つばめ@翼・黄ジャスミン・ニカヲタ (@Nika_Junta) November 22, 2019
この場合の舞台は俗にいうアイドル舞台(出演者みんなアイドル)ではなくてストレートプレイやミュージカルの主要キャストでアイドルが出演するという舞台を指します。
当然ファンの方は行きますよね。
でも普段舞台を見てない客層が足を運ぶのでコンサートと同じような感覚で来ちゃう人が多いそうです。
コンサートTシャツにコンサートバッグ。
オリジナル団扇にペンライト。
そして登場する度に「キャー!!」
ぼくの意見としては服装は自由でいいと思います。好きな格好で来てください。
でも団扇とペンライトはNGです。
声援なんてもってのほか。
アイドルがガチの舞台役者に囲まれて舞台をやるときはそれ即ち挑戦です。
自分の力がどれだけ通用するのか。
それを確かめて成長する貴重な時間です。
出来によってその後の仕事の幅も増えていくでしょう。
それを観客が自分都合で自由に盛り上がってはいけません。
それは応援ではなくて自己満足です。
シーン関係なしに声援が飛び交ってたらその分、そのアイドルが裏で他の出演者に謝っていると思ったほうがいいです。
もし観劇ルールが分からないなら分かる人に聞く。
というかスマホOFFにしておとなしく見ればいいだけです。
そして好きなアイドルを含めて作品全体を楽しむ。
もちろんコンサートのときはワーキャーしてください。
こういうTPOに適した応援が出来るようになって真のファンと言えるのではないでしょうか。
貸切はひどい
これは出演者としての体験談ですが、貸切公演は観客のモラルがグーンと低下します。
理由は単純で、舞台を待ちわびてるワクワク度数が低いから。
人間はそんな立派に作られてないので、やっぱり掛けた時間やお金に比例してそれ相応の意識レベルで鑑賞するとぼくは考えます。
なので招待された舞台だと多少肩の力を抜いて観てしまうのです。
その証拠が貸切公演。
旅行会社のツアーや会社(学校)の行事で一公演やるときはちょっとひどいですよ…。
会社行事で来る人って行事や付き合いで来てるので「実際に自分が観たくてチケットを購入した人たち」ではないんですよね。
だから観劇態度が悪いです。
- ぜんぜん真剣に観てない。
- 途中出入りする。
- ずっと話してる。
中には真面目に観てくれてる方もいますが観客席全体から漂う「観てませーん」のオーラは中々きついものがあります。
もちろん役者はプロなので観客に左右されず最高のパフォーマンスを提供しますが、舞台の醍醐味は役者と客席がひとつになる「共有感覚」です。
それがとても一方通行に感じられて残念な思いをするのが貸切公演です。
ときどき一階が貸切で二階だけ一般客に解放みたいな日がありますけど避けた方がいいですよ。
面白いものが面白くなく見えます。
関係者にご用心!
貸切に似た案件として関係者はあまり熱心に作品を観ていない傾向にあると思います。
観るのが仕事だからね
仕事なのでチケット入手の難易度は関係ありませんし、単純に観なきゃいけないから観てるだけの人もいます。
強制力が働いた時点でもうダメかと。
真剣に見てない癖に終演後に拍手しながら「よかったよ~!」って近付いてくるのよね…
前列が関係者席でした。開演前にはスタッフさんがご挨拶にいらっしゃってました。お仕事の義理で来られて、興味がなかったのでしょう。開演後もずっとスマホをいじっていました。興味ないなら出ていってくれた方が視界が開けるのに、と本気で思いました。電源を切らない関係者、割と多いですよね。
— じゅり (@yuukijyuri) November 25, 2019
関連記事どうして関係者は真剣に舞台を観ないのか。本当の敵は身内に有り!?
演じる覚悟に観る覚悟
舞台を作るのはとんでもない時間とお金が掛かります。
稽古は一ヶ月くらいですが、準備も含めると一年以上前から動いている作品もあります。
準備期間は規模に比例しません。
出演者、スタッフ、関係者など、舞台はいつだって誰かの夢を乗せて上演されています。
観る側もそうです。
何ヵ月も前から予定を調整してチケットを購入して、観劇をずっと楽しみにしてる方がほとんどです。
中には地方から来てる方もいます。
渡航費や滞在費も含めたらチケット代の何倍も掛かってる方だっているはずです。
それくらい楽しみにしているんです。
その二つの気持ちが重なりあう瞬間が舞台本番です。
そしてそれらの熱量を一瞬で壊せるのがあなたの不注意です。
スマホを鳴らしたりいじったりするのは関係者の努力や来場者の気持ちを踏みにじる悪しき行為です。
その事実が根底から理解できてない方は舞台を見にくるべきではないです。
否、観に来てはいけません。
映画もダメ。家でテレビ見ててください。
舞台で真後ろの人がシャカシャカ音が目立つ服?上着を着ていて度々動くから非常に不快だったことがあります。後は笑い声が大き過ぎる客。
映画では真横で上映中ずっとLINEして携帯弄ってるのが非常に不愉快でした。そんなに気になるなら観に来るなよ!と楽しみにした映画だっただけに腹が立ちました。— とき (@toki280) November 24, 2019
映画でのことですが、座席の両側から後ろの人が足を突っ込んできたことはありましたね
気分が悪くなってしまい話も入ってこないので残念ですが途中退場しました
— う茶 (@an_not) November 25, 2019
最高の芝居を観たいならあなたが最高の観客であるべき。
このように観劇マナーについて書くと「お金払ってるからいいだろ」と自分の不作法を正当化する論調で攻めてくる方、たまーにいますけど、それは通用しません。
レストランでもホテルでもそこで定められたルールに従う人間がお店のサービスを受けるに値するのです。
レストランで暴れる人は客ですか?
違いますね。
でも注文して料理作らせたならお金は取りますよね?
それと同じです。
最高の芝居を観たいならまず、あなたが最高の観客であるべきなのです。
何も難しいことは言ってません。
スマホの電源を切ればいいんです。隣の人とお喋りしなければいいんです。
100人の不良客がチケットを買うよりも1人の熱心な良客がチケットを購入してくれた方がぼくは何倍も嬉しいです。
舞台はとても脆いです。
たった一人の不注意が、沢山の人が築いてきた芸術を破壊できます。
だからこそ観劇マナーを守れない人は舞台を観てはいけないのです。絶対に。
演者としても、観客としても、ぼくはそう思います。