コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

♯52 プロ野球選手

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プロ野球選手を尊敬している。

無論、スポーツ好きとしてサッカーでもラグビーでも第一線で活躍されているスポーツ選手には常にリスペクトの精神を抱いているのだが野球には別格の感情がある。

 

その由縁は小学校生活まで遡る。

 

小学校の頃、運動神経バツグンの同級生は皆野球をしていた。

サッカーが得意な子、足が速い子、泳ぐのが得意な子と同じ運動でもそれぞれ得意分野はバラけるのが普通だが、野球をしてる同級生はどの種目をやらせても学校でトップクラスの能力だった。

 

その中でも抜群に運動のできるやつがいた。

バスケでもサッカーでも、ドッチボールでもそいつがチームに1人いるだけで勝ってしまう。

 

そいつの夢はプロ野球選手。少年野球チームに所属していて、帰宅後も庭で毎日素振りをしてると聞いていた。顔もとてもイケメンで勉強もできるナイスガイだった。

 

特に将来の夢もなく毎日バラエティ番組を見てるだけのザコキャラだったぼくは「きっとあいつはプロ野球選手になって活躍するんだろうなぁ…」とThis is 他人事くらいに思っていた。

 

そして中学。

そいつとぼくは同じ地元の公立校に入学した。当然彼は軟式の野球部ではなく地域の硬式野球チームに所属した。

 

しかしさすがは中学、世界は広い。

四つの小学校から生徒が集まる中学だったので、他にも運動ができる奴らがわんさか集まっていた。

 

中学になると小学校の頃より専門性が色濃く出てくる。サッカーは得意だけどバスケは下手なヤツや、卓球だけやたら強いヤツ。それでもその小学校からの同級生は学年トップクラスの運動神経を誇っていた。走ってもトップ、バスケもサッカーもトップ。バスケなんて間違いなくバスケ部より上手だった。

 

とにかく凄いヤツだった。ぼくは全然交流がなかったけど、ずっと心の中でそいつに憧れていた。カッコ良かった。

 

そして高校。

強豪校だらけの神奈川県で、そいつは何故か超強豪校に進学しなかった。

 

理由はよく知らない。

でもプロ野球選手になるなら甲子園に近い高校に行く方がいいんじゃないか、と素人ながら思ってた。

 

超強豪校の1つ下くらいの私立高校にそいつは入学した。

行けなかった事情があったのかも知れないし、彼なりの勝算があったのかもしれない。

 

中学の卒業文集。皆が適当な作文を寄せる中で彼は「10億円プレーヤーになってやる!」と、大きな文字で、それしか書いていなかった。ふざけたことをするタイプじゃないので彼なりに決意表明だったのだと思う。

 

でも、結果として彼はプロ野球選手になれなかった。

甲子園にも行けず、大学でもドラフトにはかからなかった。

 

そいつだけでなく、今まで出会ったとんでもない運動神経の持ち主たち全員が誰一人プロ野球選手になれなかった。

 

一体プロ野球選手になるのはどんな人間なのか。プロになるだけでなく、レギュラーを取り、第一線で活躍し続ける選手はどれだけ凄いのか。

 

ぼくにとってその同級生はヒーローだった。

運動神経の塊だった。

 

そいつが憧れてたプロ野球。

そいつが行けなかったプロ野球。

 

そんな想像も付かない世界で戦っているプロ野球選手を尊敬している。

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