コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

♯51 自販機の空き缶

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自宅から最寄り駅に向かう途中、幾つか自動販売機がある。

 

その中のひとつ。駅から離れた場所(自宅寄り)の自動販売機が荒れている。

ゴミ箱がないのに勝手にゴミ(空き缶)が置かれているのだ。

 

最近どこでもそうだと思うが、自動販売機の隣に空き缶を回収するゴミ箱を置かなくなった。

個人的感覚では置いてある方が珍しい。

 

その自動販売機は繁盛している。

駅もコンビニも近くにないその場所では近隣の工事関係者が大量購入することもある。

 

だが既出のようにゴミ箱はない。

 

すると、まず誰かが自販機の隅にそっと空き缶を放置する。

 

毎日通りかかるので嫌でも目につくのだが、最初はそんなふうに1本か2本、ポツンと置いてあるだけだった(それでもルール違反だが)

 

それが日に日にエスカレートしていった。多いときは20本くらい置いてある。というか置いてない。その場に投げ捨てられたように転がっている。

 

自販機会社の方が補充の際に仕方なしに空き缶を回収していくので、気付いたらその場所に缶がなくなってると判断した人が「この場所に捨てることを有り」にしてしまったのだ。

 

「皆やってるから自分もやっていい」という言い訳を盾にして次々に缶が置かれている。

それはもう面白いほど次々に。

 

一番酷いときは誰かの家庭ゴミが置いてあった。むき出しの空き缶ではなく、ゴミ袋である。

正直、どこにでもある光景なのだろう。そのひとつひとつに目くじらを立てていては到底身体がもたない。

 

でも、酷い光景だと思う。

 

ぼくはそういう光景を見る度に嫌な気分になる。極力何とも思わないようにしているのだが、ぼくの中の繊細スイッチが自然にオンになり、なんとも鬱々とした気持ちになる。

 

誰かに迷惑を掛けることを微塵も悪いと思わない、もしくはそんなことを考えることもなくオートマチックに醜い行動ができる少なくない人達を本当に嫌悪する。

 

歩きタバコの回でも書いたが、ぼくはそういう社会的ルールが守れない人が心から嫌いだ。

 

後天的に身に付いた性格とかでなく、生まれ持った気質である。

理想を言えば、そういった光景を見ても何とも思わない鈍感な人間になりたい。

 

でも出身国や肌の色と同じようなモノで、生まれながらの気質に抗うことはできない。

 

仕事柄、様々な場所に足を運ぶことがあるが、だいたいどこの住宅街にも「ゴミの分別守ってください」「ここはゴミ捨て場ではありません」的な貼り紙がしてある。

家賃相場と民度は比例すると聞いたことがあるが、日本中どこに行ってもこういう鬱々とした気持ちからは逃れられないのだと、自販機横の空き缶を見て毎度悲しく思う。

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