コラム(不定期更新) 怖いネカフェの話

♯42 家に帰れない〜その5

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夕方から夜に差し掛かる刻、若干冷えてきた街をサンダルで歩く。

マンションに戻ったぼくは驚いた。

 

入り口に…誰もいない。

 

あ、これダメなパターンだ。直感した。たぶんあの後に自然にドアが直って、ぼくが過度に騒いだと思われるやつだ。すごく心外だ。

 

ドアの前に立ち、カードキーをかざす前にリセットボタンを探す。

案の定、そんなものは付いてなかった。許せぬ。

 

カードキーを何度かかざしてドアが開いた。嬉しいが腑に落ちない。

 

30分以上前に「入れなかった時間」があったのは事実である。今はこうして入ることができたが、「放っておけば自然に直る」のが有りになってしまうと、毎回ドアが直るまで『その場で待つ』という謎のルールが発生する。

 

それっておかしくないか?

だって家賃払ってる自分の家だぜ?

 

コインランドリーで乾燥させていた洗濯物を回収して部屋に戻る。

今度は自分のスマホから先程と同じ会社に電話する。

 

同じ女性が出る。

事情を説明するが、実際に直って入れてしまったので強くは言えない。

後日点検することを約束してもらう。

 

リセットボタンがなかった旨を伝えると「え、それは先程お客様が言われたタイプが〜(以下省略)」。てかどのマンションにどのタイプのオートロックを付けてるのかそちらで把握しろよ。

 

入れなかったのも事実。

自然に直ったのも事実。

 

オートロックって要するに顧客の生命を預かるものじゃないのか。不審者が入らないように設置するのが通常であるならば、もっとデリケートに扱う商品ではないのだろうか。と、言いたい気持ちをグッとこらえる。

 

こればかりは分が悪い。

実際にぼく以外の人が入れているのと(その時間に出入りがあったかどうかは不明)、ぼく以外の誰もその会社に連絡していないので、あちらからすれば「大した問題でもないのに勝手に騒いだ人」と烙印を押されること仕方なしだ。無念。

 

それから2週間。

 

おそらくメンテナンスが入ったのであろう。

事件が起きたときに比べてドアの感度がよくなっている。

 

だがしかし、それでも内側の黒いボタンが反応せず、マンションの外に出れずに数分ドアの前で待たされるときがある(ガチャガチャして放置すると数分後に直る)。

 

これで…いいのか?

本当に、これでいいのか?

 

 

ぼくだけが考えすぎなのだろうか。

物件を管理する会社やオートロックを設置する会社であるならば、それぞれ責任のある仕事をしてほしい。

それだけを願う。

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