前回はこちら。
夕方から夜に差し掛かる刻、若干冷えてきた街をサンダルで歩く。
マンションに戻ったぼくは驚いた。
入り口に…誰もいない。
あ、これダメなパターンだ。直感した。たぶんあの後に自然にドアが直って、ぼくが過度に騒いだと思われるやつだ。すごく心外だ。
ドアの前に立ち、カードキーをかざす前にリセットボタンを探す。
案の定、そんなものは付いてなかった。許せぬ。
カードキーを何度かかざしてドアが開いた。嬉しいが腑に落ちない。
30分以上前に「入れなかった時間」があったのは事実である。今はこうして入ることができたが、「放っておけば自然に直る」のが有りになってしまうと、毎回ドアが直るまで『その場で待つ』という謎のルールが発生する。
それっておかしくないか?
だって家賃払ってる自分の家だぜ?
コインランドリーで乾燥させていた洗濯物を回収して部屋に戻る。
今度は自分のスマホから先程と同じ会社に電話する。
同じ女性が出る。
事情を説明するが、実際に直って入れてしまったので強くは言えない。
後日点検することを約束してもらう。
リセットボタンがなかった旨を伝えると「え、それは先程お客様が言われたタイプが〜(以下省略)」。てかどのマンションにどのタイプのオートロックを付けてるのかそちらで把握しろよ。
入れなかったのも事実。
自然に直ったのも事実。
オートロックって要するに顧客の生命を預かるものじゃないのか。不審者が入らないように設置するのが通常であるならば、もっとデリケートに扱う商品ではないのだろうか。と、言いたい気持ちをグッとこらえる。
こればかりは分が悪い。
実際にぼく以外の人が入れているのと(その時間に出入りがあったかどうかは不明)、ぼく以外の誰もその会社に連絡していないので、あちらからすれば「大した問題でもないのに勝手に騒いだ人」と烙印を押されること仕方なしだ。無念。
それから2週間。
おそらくメンテナンスが入ったのであろう。
事件が起きたときに比べてドアの感度がよくなっている。
だがしかし、それでも内側の黒いボタンが反応せず、マンションの外に出れずに数分ドアの前で待たされるときがある(ガチャガチャして放置すると数分後に直る)。
これで…いいのか?
本当に、これでいいのか?
ぼくだけが考えすぎなのだろうか。
物件を管理する会社やオートロックを設置する会社であるならば、それぞれ責任のある仕事をしてほしい。
それだけを願う。