こんにちは、小野哲平です。
あなたは「錯覚資産」という言葉をご存知ですか?
去年突如として出現した新語「錯覚資産」、もうだいぶ日常用語として使われることも増えたので知ってる方も多いかと思います。
錯覚資産、それは…「勘違いさせるチカラ」。
言葉としてその意味や仕組みを理解してる人はどれだけいるか分かりませんが、錯覚資産はその言葉が生まれる何年も前からぼくたちの日常に存在していました。
これを読んでるあなたもぼくも、既に錯覚資産の影響を多大に受けています。
自分の意志で選択しているはずが実は思考の錯覚に陥っている…。
今日はそんな「錯覚資産」について書きます。
人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
この記事は錯覚資産について書かれた名書「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」をぼくなりに分かりやすく噛み砕いた記事です。
信じられないくらい面白い本だったよ!
誰もが一度は思う「なんであんな奴が評価されるんだ! ?」の謎を解き「誰にでも使えるズルい武器」として解説する異色作。TBS系列「林先生が驚く初耳学」でも紹介された。
自分にとって都合のいい錯覚
錯覚資産とは「勘違いさせるチカラ」です。
もっと深く説明すると
「他人が自分に対して持つ、自分にとって都合のいい思考の解釈」
この「勘違いさせるチカラ」を理解&習得することによって、実力がなくても実力があると周囲に錯覚させることで良いポジションを得ることができます。
まさに魔法のチカラ!
大事なのは以下の三点。
- 人は「思考の錯覚」を操ることによって良いポジションに立つことが出来る。
- 「思考の錯覚」は錯覚している本人は気付けない。
- この「思考の錯覚」は分かりやすい実績で作り出すことができる。
「自覚できない」という特性が、錯覚資産を、極めて優秀な武器にしている。誰もが錯覚資産という悪魔の力を駆使しているこの世界では、錯覚資産なしには自分の人生の活路を切り開くことはできない。
何を言うかよりも、誰が言うか
じゃあ具体的に何なのよ、と思ったところで一例です。
錯覚資産を持っている人はひとつの分野において優れた成績を出した人が多いです。
例えばの話です。
元メジャーリーガーのイチロー選手。説明するまでもなく世界最高の野球選手です。
そのイチロー選手が、野球ではなくサッカーの試合についてコメントしたとしましょう。
どんなコメントでも構いません。
「あそこの守備が甘い」でも「今日のポイントはこのシーンだった」でも何でもいいです。
すると周りの目はこうなります。
「さすがイチロー、見る場所が違うな」
ですがここで重要なのはイチロー選手はサッカーで結果を残しているわけではない、ということ。
あくまでも野球で大活躍した方です。
にも関わらず「あのイチローが言うんだから間違いない」とそのコメントには大きな価値が生みだす人は絶対にいます。
極端な例ですが、これが錯覚資産です。
野球というひとつの分野で結果を残した人は(その人が未体験な)他の分野でさえも見る目が違うのではないか、という錯覚が生まれるわけです。
このように何か1点が優れていると、後光がさして、何もかもが優れて見えるような錯覚をハロー効果と呼びます。
錯覚資産を手に入れるには
勘のいい方はここまで読んである矛盾に気付くはず。
これはつまり「鶏が先か、卵が先か」という因果性のジレンマです。
成功しているから錯覚資産が手に入っているのか、錯覚資産があったから成功したのか。
永遠に勝負は付きません。
では、どうやって錯覚資産を手に入れるのか。
本書に書かれてる正解は数多く賭けること。
ハロー効果を手にすることができそうな案件にドンドン挑戦することです。
数字は大きなチカラを持つ
特に数字が伴う事柄は強力な錯覚資産になります。
例えば「10万部突破のベストセラー」「オリコンチャート1位」etc…
実際はどんな本であってもどんな音楽であって、その肩書きが付くことによって「これは評価されたものなんだ」と多くの人間を錯覚させることができます。
錯覚資産の入り口はまず何でもいいので数字のつく実績を作ることです。
【保険会社のハロー効果】
実は保険会社のガン保険も錯覚資産(ハロー効果)を用いています。
「国民の2人に1人はガンになる」「3人に1人はガンで死亡する」と謳って保険加入を勧めていますが、これは高度な数字のマジック。2015年の調査結果によると、日本全体の死亡者数は129万444人で、その内ガンによる死亡者数は37万346人 。割合でいうと28.7% 。この結果からすると「3人に1人はガンで死亡する」というのは概ね当たっています。続いてガンの罹患率は、国立がん研究センターの調査結果(2012年データ)によると、男性が63%、女性が47% 。男女合わせると55%がガンに罹患することになるので「2人に1人はガンになる」というのも間違いではない。
なので「3人に1人はガンで死亡する」も「2人に1人はガンになる」も数字の上では正解です。
ですが大事なのはどちらも年齢には触れていないということです。
具体的には罹患率が高くなるのは50代以上で、それ以降急激に増えていく 。したがって、若い人はガンになる不安を不必要に抱く必要はありません。
ですが保険会社は「国民の2人に1人はガンになる」「3人に1人はガンで死亡する」の部分を大きく謳って加入者を増やしています。これは数字が起こしている錯覚です。
錯覚資産は過去をも変える
この本の著者はとても良いことを言っています。
もう1つの重要な点は「自分には、本当に才能があるのか?」と悩むことに時間を使うことをやめる、ということだ。
才能があるのかないのかなんてものは、自分にも他人にも見分けはつかない。
そんなことを考えるよりも1回でも多くのサイコロを振ろう。
それが成功したらあなたは周りから「もともと才能があったから成功した」と知覚される。
それはつまり未来に形成した錯覚資産が過去を遡ってあなたの評価を変える、ということです。
そして、ここで注意しなければいけないのは成功者は「自分のやり方が正しかったから成功した」というフリをした方が圧倒的に得だということ。
要するに偶然成功したにしても何か成功の秘訣を持ってると思わせた方が錯覚資産が重なって自分の評価が勝手に上昇していくよって話です。
そしてその評価はあなたの過去の失敗さえも「実はあの人はあの時点でこの成功を見据えていたのかも」と都合のいい解釈に変えてくれます。
人間の記憶はとても曖昧なもので、たったひとつの大きい成功があるだけで「あの人は昔から優秀だった」という風に脳内記憶変換を自動的に無意識でしてしまうのです。
ズルい武器を使ってでも生き残れ
真面目なやつほどバカを見ます。
ただ真面目でいたいのが本願なら何も言いません。
が、到達すべき場所や叶えたい夢があるならこういう錯覚資産を駆使してでも自分を大きく見せて仕事を奪うべきです。
そしてそれは数多くの成功者が既にやっていることです。
新時代に勝ち残る為に「勘違いさせるチカラ」。
本書にはもっと詳しく載っているので是非ともご覧ください。