こんにちは、小野哲平です。
皆さんはお笑いが好きですか?
ぼくは大好きです。
1985年生まれのぼくがまだ小学生だった1997年。
その番組は始まりました。
黄金ボキャブラ天国
今も語り継がれる「ボキャ天ブーム」を巻き起こした伝説の番組です。
MCは谷村新司さんとヒロミさん。アシスタントは小島奈津子さん。
キャッチコピーは嗚呼砕け散る言葉と笑いの黄金伝説キャブラー達の集団暴走アミューズメント。
OPで毎回言うんだよ!
ぼくはこの番組が全てのテレビ番組の中で一番好きでした。
本当に本当に大好きな番組で、まさにぼくの青春でした。
出場していた芸人はみんな覚えているし、高得点だったネタも覚えています。
だから今でもテレビでボキャブラの話が出たときは前のめりになって聞いています。
しかしボキャブラが放送されていたのは今から20年以上前の話。
テレビに出てくる「ボキャブラ時代」「ボキャブラ芸人」というワードにピンとこない人も多いのではないでしょうか?
時間が流れたね…
そこで今日は、黄金ボキャブラ天国がいったいどんな番組だったのかを紹介します。
これさえ読めば、
- ボキャブラとは何だったのか?
- 誰がボキャブラ芸人だったのか?
- 誰が生き残ったのか?
なんとなーく分かるはずです。
相当な長文になりますが、御了承ください。
この文章がぼくの青春そのものです。
ボキャブラ天国の歴史
ダジャレを映像化することはできないか?
そんな斬新な発想(おもいつき?)から伝説は始まりました。
黄金ボキャブラ天国の放送開始は1997年。
しかしその歴史の始まりは1992年まで遡ります。
タモリのボキャブラ天国 1992年10月14日 – 1993年9月22日
1992年。水曜日のゴールデンタイムにその番組は始まりました。
司会にタモリさん。アシスタントには小島奈津子さん。
放送時間は毎週水曜日19:30~20:00。
タイトルは「タモリのボキャブラ天国」
視聴者から募ったダジャレ投稿作品(格言・物や人の名前・歌の歌詞など)を映像化し独自のルールで採点する、という言葉だけではよく分からない独特なシステム。
そのボキャブりの一体何を、どう審査すればいいのかに司会のタモリさん自身も困惑しつつ、なんとなくスタートしたこの番組。
#今日は何の日 1992/10/14「タモリのボキャブラ天国」放送開始記念日! pic.twitter.com/DckLU1HnFk
— ラクメキアそーさい/新井博之助 (@sousai_h) October 13, 2019
放送を重ねる毎にそのカルト的な魅力は世の中に浸透していき、いつしかボキャブラ天国は好きな人にはたまらない中毒性のある番組になっていきます。
タモリのSuperボキャブラ天国 1994年4月13日 – 1996年9月25日
放送時間は毎週水曜日22:00~23:00。
司会は変わらずタモリさん。
放送終了から半年。放送時間が30分から1時間に延長されボキャブラは帰ってきました。
タイトルは変わっても内容はほぼ同じです。笑
しかし放送開始から4ヶ月経ったある日、革命が起きます。
1994年8月17日。
若手芸人が”コントでボキャブる”新コーナー『ボキャブラヒットパレード』が始まりました。
このボキャブラヒットパレードこそ後世に語り継がれるボキャブラ世代の幕開けです。
芸人がコントの中でボキャブり、それをパネラーと呼ばれる審査員がジャッジする。
ネタとダジャレが一体化したコントです。
この思い切った企画。
開始当初こそ不人気でしたが徐々に人気が火が点きます。
このときに出演していた芸人(キャブラーと呼ばれます)には、
- 爆笑問題
- 海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)
- ネプチューン
- キャイ~ン
- 極楽とんぼ
- 出川哲朗
など今も第一線で活躍する方々がいました。
Superボキャブラ天国 ヒットパレード最強王座決定戦順位(全30組)
番組の最終回(1996年9月25日)で開催されたヒットパレード最強王座決定戦の順位がこちらです!!
- 爆笑問題
- ネプチューン
- BOOMER
- ロンドンブーツ1号2号
- つぶやきシロー
- 金谷ヒデユキ
- ノンキーズ
- 男同士(江頭2:50さんのコンビです)
- アニマル梯団
- MANZAI-C
- 海砂利水魚(現くりぃむしちゅー)
- フォークダンス DE 成子坂
- X-GUN
- へらちょんぺ
- あさりど
- 松本ハウス
- オアシズ(光浦さんと大久保さんのコンビ)
- Take2
- 山崎邦正
- オセロ
- キャイ~ン
- アンバランス
- 極楽とんぼ
- ピーピングトム
- 底抜けAIR-LINE(ピコ太郎のプロデューサーこと古坂大魔王さんが組んでたトリオです)
- -4℃
- まなつまふゆ
- UBU
- アンジャッシュ
- 出川哲朗
今も活躍してる人がいっぱい!
タモリの超ボキャブラ天国 1996年10月16日 – 1997年3月19日
「Super~」が終わってすぐに始まった新番組。
司会は変わらずタモリさん。そして放送時間も毎週水曜日22:00~23:00。
「Super~」と全く同じです。
ですが、大きく変わった箇所が一点。
なんと「Super~」時代でワンコーナーだったヒットパレードが拡大されて一時間番組になったのです。
視聴者の投稿作品中心 → 若手芸人の登竜門と、番組が大きく変わった瞬間でした。
新ボキャブラ天国 1997年4月13日 – 9月14日
水曜日の22時に若手芸人のネタだけでは厳しかったのか番組は一度深夜に移行します。
長らく司会を務めていたタモリさんがいなくなり、放送時間も司会者も一新。
司会はそれまでパネラー(ネタを評価する人)だったヒロミさん。そして谷村新司さんです。
放送時間は毎週日曜 23:45 ~ 0:45。がっつり深夜です。
深夜ということでキャブラーたちのネタも際どくなり、スタジオと視聴者の熱気はドンドン上昇。
なんと深夜枠にも関わらず平均視聴率12~13%。
完全なる人気番組に成長しました。
しかし新ボキャブラ天国の放送回数はわずか15回。
人気がなくて打ち切りになったわけじゃありません。
人気がありすぎて一気にゴールデンに進出したのです。
黄金ボキャブラ天国 1997年10月7日 – 1998年3月10日
1997年3月に水曜22時から姿を消し深夜枠になったボキャブラは、なんと同年10月(7ヶ月後)に再びゴールデンに帰ってきます。
さぁ!お待たせしました!
この番組こそ、ぼくが熱狂し毎週楽しみにしていた黄金ボキャブラ天国です。
放送時間は毎週火曜日20:00~20:54。
「新~」と司会者や番組システムは変わらずに勢いそのままゴールデンに乗り込んできました。
冒頭でも書いたように本記事で紹介するのは黄金ボキャブラ天国です。
しかい歴史として「黄金」以降のボキャブラも記載しておきます。
それ以降のボキャブラ
- 家族そろってボキャブラ天国 1998年4月14日 – 9月8日
- 続!ボキャブラ天国 1998年10月18日 – 1999年3月28日
- 歌うボキャブラ天国 1999年4月18日 – 9月26日
この「歌うボキャブラ天国」を持ってボキャブラの長い歴史は幕を閉じました。
詳しくはWikiでどうぞ!
主なルール
- ネタとボキャブラを組み合わせた作品をランキング形式で評価。
- ネタは事前収録。
- 「大玉=3点」「中玉=2点」「小玉=1点」、パネリスト10人で30点満点。
- 10位のキャブラーからネタを発表。
- 毎週ランキングを決定(同点の場合は前回順位の上位が優先)。
- 1位から10位までは「メジャー」
- 11位以下は「チャレンジャー」
- メジャーはスタジオだがチャレンジャーはスタジオ外で待機
- メジャー下位とチャレンジャー上位は入れ替え戦。その成績によって昇降格が決定。
- 順位が出たら翌週はその順位からスタート。
- 5回で「グランドボキャブラキング」になり、賞金100万円。
- 10回で「名人」に認定され、さらに賞金100万円獲得。
ちょっとよくわからないですよね??笑
高得点を出すにはダジャレだけでもダメですし、ネタだけでもダメ。
言うなれば「言葉を駆使した瞬間芸」が求められます。
主なパネラー
ネタを審査する審査員(パネラー)にはこんな方々がいました(一部です)
- 大島渚
- 飯島愛
- 糸井重里
- 赤坂泰彦
- 清水圭
- 国分太一
- 川合俊一 など
番組のみどころ
ネタで順位が付く、と言えば単なるネタ番組のように聞こえますが、
- メジャー芸人の派手な登場(前回の順位毎に何組かずつ登場する)
- ネタ前ネタ後のヒロミさんとのトーク
- キャブラー同士の抗争
- 一点を争うドラマ
などなど、面白い要素がめっちゃくちゃありました!
何より面白いのは決められたルールの中で笑いを競うということ。
定められた枠組みの中で笑いを競うのは、今でいうIPPONグランプリやすべらない話に近いものがあります。
ルールが決められている以上、当然向き不向きがあります。
しかし向いていようがいまいが「絶対に自分たちが売れてやる!!」と気迫を前面に押し出した芸人のエネルギーがガンガン視聴者に伝わるのがこの番組の醍醐味でした。
主なボキャ天芸人
黄金だけでも登場した芸人は数知れませんが、何組か紹介します!!
コンビ名の前に付いてるキャッチコピーが好きでした
不発の核弾頭 爆笑問題
今も第一線で活躍している爆笑問題。
間違いなくボキャブラ芸人の中で最強のコンビです。
期待されて尚且つ高得点を叩き出す。
基本的に上位を位置どっている絶対的王者でした!
その安定した実力で初代名人(1位を10回)にも輝いています。
ぼくはボキャブラで爆笑問題を知って、それからしばらく太田さんの本を買い漁っていました。
その考え方や洞察力にも憧れを抱いていて、特に2003年に出版した初の単独エッセイ「パラレルな世紀への跳躍」からは多大な影響を受けました。
ボキャブラで見てから今に至るまで20年以上、最も好きな芸人の一組です。
遅れてきたルーキー BOOMER
爆笑問題に続いて実力派だったのがBOOMER。
2代目名人にも輝き、爆笑問題と並んでボキャブラの顔といっていいコンビでした。
今の若い方はご存じないかもしれませんが面白くて皆の兄貴的存在だったんですよ。
今は漫才協会に入ってます!
邪悪なお兄さん 海砂利水魚
現くりぃむしちゅーです。当時からブラックな笑いで実力派でした。
でも…個人的にはこんなに売れると思わなかったです(笑)
いや面白かったですよ!でも…ここまで上り詰めるとは。
ボキャブラというよりも2000年の『新・ウンナンの気分は上々。』におけるさまぁ〜ず(当時バカルディ)との改名対決を経て少しづつブレイクしたという印象です。
電光石火の三重奏 ネプチューン
今も前線で活躍しているネプチューン。当時からアイドル並みの人気でした!!
ぼくが一番好きだった芸人です!!
登場するだけで観客席からは歓声が止まらず、ネタが滑ろうが当たろうが関係なく大人気。
実際、黄金ボキャブラ天国が終わってすぐに「笑う犬」が始まり、ぼくは「ウッチャンとコントしてる!すげぇ!」とネプチューンの出世に驚いたものです。
聖☆美乳エンジェル パイレーツ
「だっちゅーの」で流行語大賞を受賞したパイレーツ。
ボキャブラではマスコット的な存在でした。
芸人よりもタレントなので、全くネタは面白くないです。
気付いたら売れてて、気付いたらもういませんでした。
でも綺麗な人達だったなぁ
一触即発BOYS アンタッチャブル
先日10年ぶりにコンビで漫才を披露したアンタッチャブルも黄金の途中から参戦しています。
他番組でネタが面白かったのを覚えていたので参戦したときはテンション上がりました。
ザキヤマさんは今のような芸風ではなくて全然笑わないキャラでした。
25年前のボキャブラ天国に出演した#アンタッチャブル の映像です!
95年プロデビュー。
ザキヤマの繰り返されるボケに対して、柴田は強く細かくツッコむ特徴の漫才コンビ。
ボキャブラ天国懐かしいなぁ〜!
いいね70ください!笑@retoro_mode pic.twitter.com/Hzo39VXBpq— MCC 〜MANZAI CONTE CLUB〜 (@manzaiconteclub) March 6, 2020
他にもこんな芸人たちが!
このコーナー本当はあと10組くらい紹介するつもりだったんですけど、さすがに文字数多くなりすぎちゃうので割愛しました。
本当は松本ハウスもプリンプリンも金谷ヒデユキも幹てつやも書きたい!
今も活躍されている方ですと
- U-turn(土田晃之さんが組んでたコンビ)
- 底ぬけAIR-LINE(古坂大魔王さんが組んでたトリオ)
- G★MENS(ハリウッドザコシショウさんが組んでたコンビ)
- デンジャラス
- Take2 など
が出演されていました。
詳しくはこちらでどうぞ → ボキャブラ天国シリーズに登場したキャブラー一覧
ぼくとボキャブラ天国
前述のように、ぼくは黄金ボキャブラ天国にはめちゃくちゃハマっていました。
なので今でもテレビでボキャブラ芸人の口から当時の話が出ると嬉しいです。
でも、熱狂していたのは黄金までです。
黄金のあとの「家族そろってボキャブラ天国」も一応見ていましたが、ルールや番組コンセプトが変わってしまって黄金ほどの熱狂はありませんでした。
絶対王者だった爆笑問題が出演しなくなったことも大きな要因かもしれません。
好きだった番組が徐々に衰退していくのを悲しい気持ちで見ていました。
「家族~」が終わり番組は深夜枠になりました。
そこからは完全に見ていません。
なので実質1年弱です。ぼくがボキャブラを毎週見ていたのは。
あれだけブームになった『ボキャブラ天国』だって『黄金』と『家族そろって』合わせて火曜8時枠の放送はたった1年だったんだよなぁ…。
『ボキャ天』のような番組、もう一回見たいなぁ…。#ボキャブラ天国 pic.twitter.com/EVOS2aBG1E— Hopegenki (@Hopegenki1) April 28, 2019
でも本当に面白かった。実家を探せば録画したビデオが出てくると思います。
いずれそれらもDVDにコピーして再度楽しみます。
あれから20年以上経ちました。
まだ芸人を続けている人、そうでない人。
それぞれの人生があると思いますが、これだけは言いたい。
黄金ボキャブラ天国!最高でした!!
キャブラーの皆さん!みんな大好きでした!
この記事が巡り巡って、いつかキャブラーの目に触れたら嬉しいです。