こんにちは、小野哲平です。
小さい頃から読書が好きで、今まで沢山の本を読んできました。
小学生のときは漫画が多かったですが、中学生になり、友人が当時流行っていた鈴木光司の「リング」を貸してくれてから、全面文字で埋め尽くされた小説や新書を求めるようになりました。
寝る前の一時間を読書の時間と決めていたぼくは、本を通じて様々なことを学びました。
今でも本を読まない日はありません。
そんな数限りない本から影響を受けているぼくですが、
大切な本を一冊だけ挙げろ
と言われたら迷わずこの一冊を選びます。
唐沢寿明「ふたり」
この本は「大切な本」という言葉以上に、ぼくそのものに深く影響した人生の一冊です。
中学二年生のとき、この本に出会ってぼくの人生は変わりました。
役者を志したときからずっと言い続けていますが、ぼくが最も憧れている役者は唐沢寿明さんです。
役者を目指したから唐沢さんに憧れたのか、
唐沢さんに憧れたから役者を目指したのか、
自分で分からなくなるほど、ぼくのスーパースターです。
この本、「ふたり」はそんな唐沢さんのエッセイです。
唐沢さんが高校をやめてから、どのようにして役者になったのかが赤裸々に書かれています。
決して軽い内容ではありません。
若き日の唐沢さんの苦悩が、葛藤が、そして絶対に這い上がるんだという強い意志が、文面から伝わってきます。
以下、冒頭引用。
ずっとずっと「ひとり」だった。
学校から抜け出し、家や養成所からは追い出された。
食べるためにもぐり込んだバイトにもなじめなかった。
自分たちで作った劇団も消滅した。
居場所がなかった。
それでもひとつだけわかっていたことがある。
役者になりたかった。
役者のエッセイの領域を遙かに超えて、人生の哲学書といってもいい素晴らしい本です。
発売されたのは1996年ともう20年以上前になりますが、時代が変わっても、夢をあきらめない心の大切さは変わりません。
高校生で家を飛び出し、たった「ひとり」であがき続け、何度挫折しようとも、何があろうとも、必死に夢を追いかけ成功を掴んだ男の実録です。
今まで何度も引っ越してその度に自分の荷物を捨ててきましたが、この本だけはずっと大切に持っています。
ぼくが死んだら棺桶にいれてほしいです。
この本に出会って、唐沢さんの人生観に触れることが出来たから、今の自分があります。
内容は濃いですが、文体はとても読みやすいです。
もし機会があればお読みください。
貴方の人生を変える一冊になるかもしれません。