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大迫茂生の回vol.1「ワーニャおじさん」感想!お前の人生はそんなもんかよ。

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舞台鑑賞

こんにちは、小野哲平です!!

今日は親交のある俳優、大迫茂生さんの舞台を見てきました。

普段あまり人の舞台見ないのですが、今回は特別です!!

その名も大迫茂生の回!!

大迫茂生とは?


ぼくが尊敬する数少ない先輩俳優です。年齢は10歳くらい上。

知り合ってまだ二年強と日は浅いのですが、若干浮き世離れしたぼくの夢物語をいつも真面目に聞いてくださる優しい方です。

おのぺー
おのぺー
だいたい皆小馬鹿にしてくるからね!もう慣れてるけど!

九州出身で男気溢れて仲間思い。分かりやすく漫画のキャラクターみたいなこの大迫茂生って人間がぼくは大好きなんです。

大迫茂生の回

そんな大迫さんが今回立ち上げたのが大迫茂生の回

おのぺー
おのぺー
あれ?回の字はこれでいいの?

1人では何も出来ない私が色々出来る方々に協力していただいて、何か面白いことをやろうというのが今回の企画意図でございます。きっと面白く、迸るモノが出来ると信じてますので皆様も私を信じて劇場に足を運んでみてくださ。ユニット名は今まで数多の表現者達が戦っているのを指を咥えて見ていた私ですが、今回はいよいよ私の攻撃の回であるという意味を込めて付けました。私の名前を冠してますが全員で戦います。

大迫茂生 (チラシ裏面原文ママ)

おのぺー
おのぺー
だからじゃなくてなんだね!


役者は4人。大迫さんに石渡愛さん、金子鈴幸さんに久保山智夏さん。

演出はこゆび侍の成島秀和さんです。

そして記念すべき旗揚げ演目はアントン・チェーホフワーニャ伯父さん

超有名な作品です。

大学の教授を引退したセレブリャコーフは、若くて美しい27歳のエレーナとともに、前妻の親から受け継いだ田舎の屋敷に住み始めていました。引退により収入が大幅に減ってしまった夫妻は、都会での生活に惹かれながらも田舎住まいを余儀なくされていました。そのうえ老齢のため、常に身体の不調に悩まされているセレブリャーコフは、その屋敷に住む住人たちに愚痴ばかりこぼし、屋敷内は常に重苦しい雰囲気に包まれていました。 その屋敷にはセブリャコーフにその管理を任されていた先妻の兄ワーニャと先妻との間の娘ソーニャ、そして先妻の母親マリヤ、それに隣に住んでいた没落貴族のテレーギンが住んでいました。ある日、セレブリャコーフが身体の不調を訴えたため、エレーナはその周辺で唯一の医師アーストロフを呼び寄せました。医師として忙しい毎日を送るアーストロフは森の木々や動物たちを愛する環境保護活動家でもありましたが、そんな暮らしにも彼はなぜか満足できず、そのストレスを酒で晴らしていました。それは、彼が人妻であるエレーナを愛してしまったからかもしれません。 かつては学者であるセレブリャコーフを尊敬し、彼の役に立つためならと、田舎の屋敷に住み込んで人生をそのために捧げてきたワーニャもまた40代半ばとなり、妻も子もなくこの先の人生に希望を見出せずにいました。しかし、そうした未来への不安以上に自分が人生を捧げたはずの人物が今や誰からも尊敬されず、単なる意地悪爺になってしまったことに、彼は空しさと悲しさを感じていました。そして、彼もまたセブリャーコフの妻エレーナに熱い思いを抱いていました。 エレーナのように美しくもなくワーニャと共にその他に人生を捧げてしまったソーニャもまた単調な人生に不満を感じ、アーストロフへの密かな愛も受け入れられず、エレーナにその苛立ちをぶつけていました。 エレーナもまた夫への不満やソーニャとの不仲など様々な問題を抱え、精神的ストレスに苦しむ毎日を過ごしていました。この古い屋敷に広がる過去への後悔と未来への不安は、住人たちの対立によってさらに膨らみ、ついにはワーニャが銃を持ち出し撃ってしまいます。その結末は?

この作品をコンプソンズの金子鈴幸さんが脚色して現代風にアレンジされていました。

感想

凄く良かったです。とても魅力的なキャストで大満足の時間でした!

ってコピペみたいな体温を感じない文章書いても意味ないと思うのでガッツリ書きますね。

とは言えこの記事内で脚色された本作のあらすじを書いてるわけではないので、ここで書いても本編見てない人には全然分からない内容なのですが、ぼくが書きたいので書きます。

地味な作品が派手になる

この作品て、まぁストーリーにすると地味なんですよね。

家庭内の人間ドラマって内面的な表現が多くなるから舞台視覚的には弱いと思うんです。

映像にすると「渡る世間」みたいな大傑作が飛び出すこともありますが、舞台だとどうしても弱い。

おのぺー
おのぺー
基本会話劇になるからねぇ

でも本作ではその部分を役者の魅力で補っていました。

今回4人の役者が登場するんですけど、皆さんとても魅力的で、それでいてそれぞれに違う角度に個性のベクトルが向いていてチームとしてのバランスが整っていました。

あと微細な表現はさすが成島さん(演出家)。ミリ単位の心情演出はお手の物です。

おのぺー
おのぺー
付いてこれる役者も凄いけどね。ぼくは無理…

そういう微細な表現を的確に積み重ねていくうちに、それぞれの心情や立場が少しずつ客席の心に届き始めてきます。他人事から我が事に変化すれば観客の見方は変わります。

そうなると地味な作品でも一気に派手に見えてくるんですよね。

簡単な話、客席をどの段階で掴めたのかってことです。

そりゃどの作品でも終盤は盛り上がるけど終盤だけ掴めても意味がない。

そうなると序盤に派手なシーンを持ってきたくなるんだけど、この作品は元々地味!

じゃあどうすればいいのかとなると、やはり的確にポイントを押さえていくってことに終着するとぼくは思うんです。

全部の台詞を全力で聞いてくれるお客さんなんてレア中のレアです。だからこそどこに重きを置くのかが演出家のプランであり役者の個性です。

それが(少なくともぼくが見た回では)上手く重なってました。

序盤から笑わせてもらいましたよー。

おのぺー
おのぺー
皆さん芸達者!

それぞれの役割

役者がそれぞれの役の作中における役割を認識できていたのが良かったです。

チームワークが見えました。

ぼくは個人的に石渡愛という女優には天賦の才覚があると思っていて、
今回も彼女が登場するだけで作品の色が変わりました。
ぼくがこの作品面白いかもと思ったのは彼女が初めて登場したときです。

やっぱり一度空気が止まるんですよね。ゾクッとする。

「美しき若妻」という役得は当然あるとしても、なんか彼女なら及第点を軽く飛び越えてその一歩先を見せてくれるんじゃないかって勝手に期待してるぼくがいました。笑

金子くんは愛されキャラ。今回脚本も書いて出演もして大活躍。

おとぼけフェイスで客席に愛されるからわりと何やってもウケるみたいな無双状態に入れるのが正直羨ましいです。

おのぺー
おのぺー
ぼくも愛されたいっす…

久保山さんは凄く真面目な方なんだろうなぁって芝居を見て思いました。的確に的を射抜いていく芝居。たくさん練習して精度を上げたのか、元からそういう芝居スタイルなのか。

でも結局は大迫さんがど真ん中にズッシリと構えているから他の3人が伸び伸びできると感じました。大迫さんはこの芝居に掛ける意気込みが舞台上から伝わってきました。

まさしくぼくが見たいやつです。

うまい役者や美しい女優なんて腐るほどいるんです。

じゃあお前は何が出来るのか、嘘で塗り固めたれた枝葉じゃなくてお前そのものを見せてくれよ、

どれだけ心の包みを剥がせるかが舞台の善し悪しを決めるとぼくは思っています。

かかってこいよ、チェーホフ

この芝居って結局色々あるけどそんなに状況が変わらないって作品なんです。

負け組はどこまでいっても負け組だろって。

でもそのなかで大迫茂生という男が見せた足掻きや苦しみや怒りは、

リアルも役も通り越してもっと激しい次元の彼方に届いていたと思います。

俺はここまでやった、どうだ?

文句あるならかかってこいよ

そんな大迫さんの古典への、人生への挑発が聞こえてくる作品でした。

かっこいいぜ、大迫さん。

もっと挑発してやりましょう!

おのぺー
おのぺー
スタッフもお疲れ様!