この記事は平幹二朗さんが亡くなられた2016年10月に書かれた記事を加筆したものです。

平幹二朗さんが亡くなりました。

「名優が憧れる名優」として、

日本演劇界にその名を刻み込んだ伝説の俳優です。


ぼくは2008年、平さん最後のリア王を見ました。

演出は、こちらも伝説の蜷川幸雄さん。


全身から溢れる客席を包み込む迫力は、

今でも鮮明に覚えています。


チラシに「平幹二朗」の名前がクレジットされるだけで、

その舞台の格式が一段高くなるような重厚さと、

舞台を独り占めしてしまうような圧倒的存在感がありました。


撮影現場でもお会いしたことがあります。

大好きな俳優でした。


ぼくは俳優業だけでなく、

俳優そのものも好きで、簡単に言えばミーハーです。

なので付き人を始めた当初は、

毎日どんな有名人に会えるのだろうとワクワクしながら仕事をしていました。


芝翫さんのドラマ撮影に同行した際、

京都の撮影所で藤田まことさんに会ったこともあります。

藤田さんが亡くなる1年前でした。


「哲平、一度でも会えて良かったな」


藤田さんが亡くなったときに、

芝翫さんにそう言ってもらえたのを覚えています。


死ぬまでに現場で御一緒したいと思う俳優が星の数ほどいます。

ぼくが進む道の先に正解があるかは分かりませんが、

今は目の前にあることを必死に頑張るしかありません。


正解を選ぶのではなく、

選んだ道が正解になるように戦い続けます。



平さんの訃報を聞きながら、

改めて強く思いました。