ご存知ですか? 付き人と弟子の違い
付き人お弟子さん

歌舞伎に詳しくない方からは同じモノに見えてしまうと思いますが、実はこの二つは全く別物でその仕事内容もしっかり線引きされています

お弟子さん

お弟子さんというのは歌舞伎役者です。

幹部役者に弟子入りして、
師匠の着付け舞台上での後見などをしつつ、
自身も舞台に立ち、年月と共に芸を磨きます。

歌舞伎は定年がないので、
その芸の道は果てしなく長く、果てしなく険しいものです。

ちなみに「弟子」と呼び捨てにする言い方はあまり聞きません。
どんなときでも丁寧に「お弟子さん」と呼ぶのが通例です。

そして歌舞伎役者なので全員が男性です。


付き人

ここからがあまり知られてない話。

歌舞伎役者の付き人はほぼ女性です。

八割近くの付き人が女性の方です。
男性付き人もいることはいますが少ないです。

月によっては男性付き人はその劇場で1人、なんてときもあります。


よく芸人さんや俳優が、

○○さんの付き人として下積みした

みたいな話を聞きますが、

歌舞伎界に関して言えば付き人は下積みではなく、
正式な職業として確立しています。

「付き人」として働いて収入を得て生活している方が多くいます。

その仕事内容は基本的に楽屋回りのこと

旦那(自分が付いてる歌舞伎役者のこと)の食事の用意や洗濯、
楽屋のお掃除、舞台袖まで岡持ちを持つことがメインです。

その他、消耗品は絶えず無くならないように買い足さなければならないし、
旦那に頼まれて買い物に行くこともしばしば。

決して「雑用」ではないですが、
もしかしたら世間的にはその言葉でイメージするものがしっくりくるかもしれません

それでも長年働いている付き人は、
他の家の幹部さんからも一目置かれてますしオーラがあります。

新しい歌舞伎座の細かい設備使用のルールなどは、
付き人(レジェンドたち)が決めたと聞いています。


お弟子さんと付き人、

どちらが偉いとかは一切ありません。

職種が違うのです。



どちらもいないと舞台が成立しません。


舞台上に現れるお弟子さんと、
決して表に出ることのない付き人

歌舞伎界には、拍手をもらうに値する、
身を粉にして働く素晴らしい付き人が沢山います。

皆様が客席から舞台上に届ける大きな拍手。
その百分の一でも付き人のことを思ってくれたらぼくは嬉しいです。

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