こちらの記事は2013年1月に公開された記事のリサイクル(書き直し)です。


昨日の話です。


とても疲れていたぼくは眠く、


運良く座れたJR東海道線で、目的地まで眠ろうとしていました。



目を閉じてウトウトしてると、隣から声が



「あの、ちょっといいですか?」



隣に座っているお婆さんがぼくに話しかけています。



「はい、なんですか?」



ぼくは答えました。



するとお婆さんは



サプライズってどういう意味なんですか?」



とぼくに聞きました。



驚きって意味ですよ。」



ぼくは答えました。



「じゃあ、あれは驚くほど安いって意味なんでしょうか?」



お婆さんの視線の先には向かいの席の広告があり、


その百貨店の広告には「新春サプライズ」と大きく載っていました。


「いや、どうなんでしょうかね。値段じゃなくて驚くほど品揃えがいいってことかも知れませんよ。」


「あぁ、そうなんですか。」


お婆さんは納得しました。


「お疲れのところ、ごめんなさいね。どうぞゆっくり休んでください。」


「いえいえ。」


ぼくは再び眠りにつこうとしました。




「あの、」



数秒の沈黙すら守ることなく、お婆さんはまたしても奇襲を仕掛けてきました。


「なんですか?」


このときぼくは眠ることを諦めました。


「どこまで行かれるんですか?」


「川崎です。」


「あら~川崎ですか~」



それからお婆さんは、


ご自身が若いときの川崎の思い出話をぼくにしてくれました。



以下、ぼくが川崎に着くまでに知り得たお婆さんの情報と教えてもらったことです。



・72歳である。


・現在の教育制度に不満を持っている。


・海ほたるに行きたい。


・海ほたるに連れていけば女の子はだいたいオチる


・石原慎太郎が好き。


・石原裕次郎はもっと好き。


・石原慎太郎は「石原さん」、石原裕次郎は「ゆうちゃん」と呼んでいる。


・石原慎太郎の「弟」を若者に読んでもらいたい。


・神田の古本屋に石原慎太郎の本が沢山ある。



ノンストップで話し続けるお婆さんの声の大きさは、


早朝の静かな車内では違和感満載でした。


何人かぼくをチラチラ見てきました。



「お婆ちゃん、寝てる人もいるからもう少し静かな声で話しましょう。」


「あぁ、そうですね。ごめんなさい。」



このやり取りを川崎までに3回しました。



やがて電車が川崎に着き、僕は席を立ちました。


「じゃあ、ぼく降りますね。お婆ちゃん、身体に気をつけてね。」


「ありがとうございます、ありがとうございます。」


ぼくらは別れ際、握手をしました。



お婆ちゃん、素敵な時間をありがとう。


石原慎太郎の「弟」、読んでみるね。


海ほたる、行ってみるね。


いつまでも、元気でね。


去年(2017年)、海ほたる行きました。

素敵な場所だったよ、お婆ちゃん。