こちらの記事は2012年10月に公開された記事のリサイクル(書き直し)です。

今回は思うところあって、

最後に大きく書き足しました。



色んな場所を転々として暮らしてきたぼくですが、

今年の春からは縁あって、

10年前に通っていた高校と同じ区域に住んでいます。



なので、自分の後輩と思われる子によく遭遇します。


うちの高校は特徴的な制服なので、


道でも電車でも、すぐに後輩だと分かるんですね。



何人かで集まって帰ってる高校生を見ると、


「あぁ・・・10年前は自分もあぁだったのか。」


と、しみじみした気持ちになり、こんなことを思い出しました。



高校生の頃、

帰りの電車方向が同じだったということでN君とよく帰っていました。


それぞれ違う部活をしていたので、毎日ではありませんが、


テスト期間中や部活を引退したあとは、ほぼ一緒に帰宅していました。



朝、学校に向かう際も、


なんとなく、この時間の電車、この車両、というように合わせるようになり、


ぼくが乗る電車に、ぼくより遠くの駅から乗ってきているN君がすでに乗っているというのが、


毎日の習慣でした。



ま、はっきり言えば仲良しだったんですね。


三年間同じクラスだったので、よく一緒に映画館にも行きました。



あれは夏休みだったか、冬休みだったか、


学期に挟まれた長期休みの最終日。


N君からぼくにメールが届きました。



「学校って明日から?」


それくらい自分で調べろとムカっとしたので、



「明日は休みだよ。」




と軽い気持ちでぼくは嘘をつきました。



いつもならここで「ありがとう!」と返信がくるので、


そしたらぼくも「そんなわけねーだろ!」と、返信をするつもりだったのですが、


その日はN君から返信がなく、


ぼくも嘘をついたことなどすっかり忘れ、最後の休みを過ごしていました。



そして翌朝。


いつもの電車にN君の姿はありません。


ぼくは自分が嘘のメールを送っていたことを思い出しました。


「あ、やべっ・・・」


それでも、毎朝待ち合わせを約束しているわけでもなかったので、


次の電車で来るだろとぼくは先に高校へ行きました。



案の定、N君はその日学校に来ませんでした。


「マジかよ~」と後悔するぼくを尻目に、


話を聞いた友人たちは腹を抱えて笑っていました。



と、ここまではよくあるエピソードなのですが、


問題はそれだけじゃなく・・・




N君はその一日の欠席で皆勤賞を逃してしまったのです。




ぼくの軽い嘘を信じたために。


何故かその日だけ「ありがとう!」と返信しなかったために。



結局、N君の遅刻・欠席は後にも先にもこの日だけで、


彼は卒業式の日に精勤賞をもらっていました。



皆勤賞の賞状を誇らしげに掲げる輪の中で、

ひとり精勤賞を掲げるN君。



その写真は今でもぼくの机に入っています。


写真を見るたびに「悪いことしたなぁ・・・」と思います。



ちなみにぼくは三年間、皆勤賞でした。


ここからが追筆です。


これを書いた2012年、

ぼくはこの話を笑い話としてブログに書きました。


それから6年、20代の自分が書いた文章を30代のぼくが読んでいます。


時間が経つに伴って友人の大切さが身に染みる年齢になりました。

今では同年代と知り合ってもなかなか敬語を外すことができません。


無条件で対等だったあの頃、

とても大切な時間だったな。


何もかもが過ぎた話ですし、

N君もすっかり疎遠になって8年近く連絡を取ってませんが、

今、このときを思い出すととても胸が苦しくなります。